Photo by gettyimages

日産・西川前社長が院政を画策か…社員は「反省の色全くなし」と激怒

社外取が結託してガバナンスをかき乱す

西川氏と親しい元共同会長が暗躍

日産自動車でいま、再びコーポレートガバナンスの問題が起こり、多くの社員らが怒りの声を上げ始めている。

新たな問題の構図を端的に述べると、自身の「不正報酬問題」によって9月16日付で事実上解任された西川廣人前社長兼CEOが、辞任後も影響力を保ち続ける「院政」を敷こうと画策している。そして驚くことにその謀略には、経営トップの監視という大きな責務を担った社外取締役が手を貸しているというのだ。

その社外取締役とは、役員人事を決める指名委員会委員長の豊田正和氏(元経済産業審議官)と、取締役会議長の木村康氏(元JXTGホールディングス会長)だ。

Photo by gettyimages

策謀は9月、西川氏が小枝至・元共同会長を「名誉顧問」に就任させたことから始まる。西川氏は、自分が責任を取って退任した場合に、自分の代理として密かに動いてもらうために、小枝氏に名誉顧問を依頼したとみられる。名誉顧問に対しては報酬が支払われる見込みだが、職務内容は明確でない。さらにこの人事を日産は発表せず、極秘にしている。

筆者は取材の結果、日産の内部調査によって、小枝氏が西川氏と同様、株価連動型報酬(SAR)の権利行使に関して不正行為を働いていたことが発覚した事実をつかんでいる。自分に付与された権利の行使期間が終わっているのに、それを行使期間内に遡って行使した形にして、報酬を約1200万円水増ししているのだ。果たしてこうした人物が名誉顧問にふさわしいのだろうか。

そもそも、上場企業の顧問や相談役について、東京証券取引所は、役職や職務内容などを開示することを求めている。東芝の粉飾決算問題では、元社長・会長らが経営に関与する東芝の組織風土も不正の一因であったため、近年は顧問や相談役の取り扱いについていっそう厳正さが求められるようになったが、小枝氏の名誉顧問就任はこうした動きに逆行するものだ。

コーポレートガバナンス不全でゴーン氏の独裁・暴走を許し、それが刑事事件にまで発展した結果、多くの批判を受けて、ガバナンス改革を推し進めると宣言した企業が到底やることではない。

 

日産OBによると、1990年代に西川氏が辻義文社長の秘書を務めていたころ、小枝氏は取締役企画室長で、社長室へ頻繁に報告に行くため、西川氏と親しくなった。西川氏が社長秘書の役目を終えると、その後、購買や関係会社担当に移っていた小枝氏が「俺のところに欲しい」といって、西川氏を部下にもらい受けたという。

その後、日産はルノーからの資本を受け入れ、ゴーン氏が経営トップに就いたが、小枝氏は巧みな社内遊泳術によって生き残り、ゴーン氏の「代理人」として大リストラを実行した。その功績から共同会長にまで栄達し、SARも含め多額の報酬を得て、巨万の財を成した小枝氏。現在は超一流プロ野球選手も住んでいた高級マンションに居を構え、都内にビルも保有して不動産業を営んでいる。