ストレスのない妊活なんてあるのか

諸々の妊活本には、「妊活中はストレスがあまりかからない生活をしましょう」と書いてある。また病院スタッフの方々からも「良質な卵子を育てる上ではストレスが大敵、採卵前は特にゆったりとした気持ちで過ごしてくださいね」というようなことを言われたこともある。

これらの言葉が、働く女性にとってはさらにストレスになることがある。ストレスがかからない生活が出来ないストレス、という何とも皮肉な悪循環。今日こそ早く退社して、お風呂にゆったり浸かって24時前には寝なければと思えば思うほど、リラックス状態とは対極の超戦闘モードに入ってしまうということを、私自身何度も経験している。

今年1月に台湾で卵子提供を受けての治療を選択した際に、病院側から、「提供卵子の移植準備を進めつつ、自己卵子での治療も並行して続けることができるがどうするか?」という意思確認を受けた。昨年12月から台湾で社長職に就いたばかりであり、仕事とあのストレスが多い治療生活を両立させるのはどうやっても無理に思えた。

慣れない仕事に奔走しながら通院と服薬・自己注射を正確にこなそうと神経質になっている自分、度重なるスケジュール変更のために面倒をかけてしまう新しい部下達、それにより一層罪悪感が募っていく自分という悪循環が生々しく想像できてしまったのである。自分でも驚くほど歯切れよく、「いいえ、提供卵子での治療だけで結構です」と回答していた。

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台湾で初めて感じたストレスフリーな妊活

台湾での第三者が提供してくださった凍結卵子を使った治療は、妊娠判定までに必要な来院回数が非常に限られている。また、多くの場合ホルモン剤を使ってその周期をコントロールしてしまうので、来院予定がズレたり想定外に来院回数が増えることはほぼない。

私の場合、手続きと夫婦の事前検査を終えた後は、日々ホルモン剤を服用しながら、

①胚移植に向けて子宮内膜の厚さと血中ホルモン値を確認する日、
②胚移植をする日、
③妊娠判定をする日

この計3回の来院で済んでいる。

途中、質問や懸念点についてメールを使って病院スタッフ経由で先生に回答をもらうことも出来たし、エコー画像や血液検査結果、移植した胚盤胞の写真・評価データは病院のアプリに随時アップされてくるので、必要な情報はきちんと共有してもらっているという安心感も十分に担保されていた。台湾に来て、私の不妊治療ははじめて念願のストレスフリーになったのだ。

次回は11月13日公開予定です

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