37歳から不妊治療をはじめ、台湾への駐在を機に卵子提供治療を受ける決意をした新垣りえさん。その治療に至る経緯や詳細を伝える連載第4回。前回は「血のつながり」葛藤した話をお伝えしました

新垣さんは務める企業の台湾現地法人の社長を務めるキャリアウーマン。不妊治療をはじめたときには企業の管理職につき、その途中で執行役員になっていました。管理職をつとめながらの不妊治療は本当に難しかったと言います。働きながらの不妊治療については、多くの女性たちが悩んでいます。では具体的にそれはどういうことなのでしょうか。

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妊娠したことは内緒で長期海外出張へ

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今年6月9日、台北桃園空港で香港行きの飛行機に搭乗しながら、向こう4週間の海外出張スケジュールを確認していた。明日からちょうど妊娠5ヵ月となり、安定期と言われる時期に入る。今日から1週間ニュージャージー出張をし、そのまま4日間のワシントン出張へ、一度台湾に戻ってまたすぐに3日間東京出張をして台湾に戻り、シンガポールのトンボ返り出張を経て、再度日本へ5日間行くことになっている。

まだ、会社の同僚には妊娠したことを伝えておらず、ある意味内緒でこの長期出張に出るのである。41歳という年齢に第三者提供卵子での妊娠という要因が加わると、高リスク妊婦に分類されるようで、妊娠初期における流産の確率が高いことは理解していた。安定期直前とはいえ、この時期の体調管理の大切さは承知しているので、出張中も慎重に行動するつもりではあるが、日本で管理職をしながら3年間続けた不妊治療の大変さに比べれば、この出張は「へっちゃら」に思えたのである。