「前頭葉」の衰えは防げない
つまり、なぜそうなるかというと、前頭葉の機能が50代後半、60代になると衰えてしまうからです。前頭葉が元気だと、新しいことにも柔軟性をもって対処できますし、発想力、アイデアもひらめくことができます。また、物事に対する「意欲」も旺盛でいられるという面があります。

よく、60歳になって、定年退職して暇ができてから起業のことは考えればいいなどと甘く考えている人もいますが、もうその年になったら、新しい仕事に適応することも難しく、柔軟な発想もなかなか出てこないのでうまくいかないのが現実です。
会社勤めをしているときは、50代後半でもまだ側頭葉と頭頂葉はまったく衰えていませんから、これまでやってきた仕事であれば難易度の高いことも簡単にできます。そのため、自分はまだまだ大丈夫だと思ってしまうのです。
しかし、前頭葉の衰えは40代からすでに進んでいるのです。中高年になっても新しいステージに次々移り、活躍の場を変えていくということをするのであれば、前頭葉の能力が衰えないように鍛えるという準備をしておく必要があるのです。
それほど、マルチなステージに人が対応していくという生き方は、脳機能的にみて高齢になればなるほど難しいものなのです。