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# 人生100年時代

60歳を過ぎたら、「勉強」よりも「アウトプット」が脳に良い

知識はこれ以上いらない
人生100年時代、身体と心の健康を保ったまま、寿命をまっとうするにはどうすればよいのか? 誰もが気になる問いに答えるのは、老年医学の専門家で、著書『「人生100年」老年格差』がある和田秀樹氏だ。巷でよく聞かれる、「何歳になっても学び続けるべき」という言葉。和田氏は、この言葉に疑問を投げかける。「学び」より大切なものとは何なのか、脳科学の観点から答えを出す。

定年後の起業は可能か?

これまでの人生設計は、生まれてから就職するまでの学びのステージと、就職してからの仕事のステージ、そして仕事を引退してからの老後のステージの3つに分けることができますが、人生100年時代になることで、人はより多くのステージを経験するようになると言われています。

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長い老後に向けた資金を確保するためにも、働く期間は必然的に長くなります。

1つの職種を務めあげるのではなく、さまざまに職を替え、そのためにはときには仕事を休み、スキルアップのための学びの期間を過ごしたり、会社を起業したりするなどのマルチなステージを生きる人生設計が提示されることもあります。

私はこういった意見には、少なからず違和感を持っています。このような主張は、たいてい老人を見ていない人の意見である場合が多いものです。

 

50代後半、60代になってから、新しい分野に活動の場を広げるということは、脳機能の面からは、なかなか難しいものなのです。

以前、定年後の起業志願者へのコンサルタントをやっている方と対談したことがありました。その方も、定年後に釣りのサイトを起業して成功しているのですが、定年退職する20年も前から計画を立てていたといいます。

定年後の起業塾にきても、実際にビジネスを興して成功する人というのは少なく、うまくいく人は、だいたい40代から計画を立てていた人だといいます。