Photo by iStock
# 説明力

あなたの説明力を鍛える「うまい要約」のコツ

「A4の紙」1枚にまとめてみる
ビジネスから日常会話まで、あらゆるコミュニケーションの場面で求められる「説明力」。話が長い、何を言いたいのかわからない……そのように思われないためには、どうすればよいのだろうか? 教育学者で、著書『頭のよさとは「説明力」だ』がある齋藤孝氏が勧めるのは、「本の要約」だ。このトレーニングをくり返すことで、自然と上手な説明ができるようになるという。詳しいやり方を、本人に教えてもらった。

上手な説明に欠かせないこと

上手な説明には、要約力が必要です。説明したい対象を的確に要約することができて初めて、うまい説明が可能になります。

Photo by iStock

私はこの要約力のトレーニングとして、大学の講義で、一冊の本をA4の紙一枚にまとめることを学生に課しています。毎週、講義のたびに、一冊の本を読んできて、その内容をA4一枚の用紙にまとめ、それぞれ一分間で発表するのです。

せっかく文系の学生として大学に入ってきたからには、卒業するまでにたくさん本を読んでその内容を自分のものにしてほしいし、本を読む習慣とともに、本を読める能力も身につけてほしいという狙いも、この課題にはあります。

要約は、以下の手順で進めます。

まず、本の題名を書き写し、その本の趣旨を一二〇文字前後、だいたい三~四行くらいで書きます。

本を読んでいきながら、三色ボールペンで重要な箇所にアンダーラインを引いていきます。とても重要だと思う箇所は赤色で、その次に重要と思われる箇所は青色で、さほど重要ではないが面白いと思う箇所は緑色で印をつけていきます。

 

そして最後まで読んだら、本の趣旨を三つくらいのポイントにまとめます。ここでの注意点は、いくつものポイントを紹介したくなりますが、思い切って三つに絞るということです。これだけで、ぐっとわかりやすい説明になります。

趣旨の書き方としては、まず全体像がわかるように内容をはっきりさせ、「具体的にはこれです」ということで、三つのポイントを添えていきます。

そしてさらに、本のなかから引用文を三つ抜き出してもらいます。自分がぐっときた文章を三つ選び、講義ではそれをみんなで音読することにしています。

最後に、この本のいちばん言いたいこと、キャッチフレーズとなる一文をつくり、趣旨説明の冒頭に書き入れます。

このキャッチフレーズは、ポイントをスパッと言い表しているような切れが必要なこともさることながら、聞いた人が面白そうだと思ったり、なるほどと感じたり、興味を引くようなものになればベストです。