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フィンランドの投票率が7割を超え、女性議員が約半数を占める理由

150年で女性の権利はこう変わった

総選挙で7割が投票する

フィンランドの投票率は高い。2019年4月の総選挙における投票率は72%だった。選挙は、政治に参加し、影響を与えるために重要な方法の一つとして広く認識されているからと思われる。

女性の参政権は、女性史研究などで関心を集めてきた問題である。選挙権を持たなかった女性が、闘争的に参政権を勝ち取った英米のケースは、モデルとして知られているようだ。フィンランドのケースは、それとは異なるあり方として興味深い。

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まずフィンランドでは、1906年に男女が同時に選挙権と被選挙権を得た。

少し歴史をさかのぼって見ると、フィンランドは14世紀頃から1809年までスウェーデンに編入されていた。

スウェーデン議会は、貴族、聖職者、ブルジョワ市民、農民(豪農層)で構成された4つの身分制議会である。

 

フィンランドは、スウェーデン語を母語とする少数派と、フィンランド語を母語とする多数派の人口から成っていたが、議会の大部分は、上流階級である前者の男性によって占められていた。

つまり、スウェーデン編入時代には、参政権を持つ男性に対する持たない女性というジェンダーの問題ではなく、フィンランド語系人口が十分に代表されないという、エスニシティと階級の問題があった。

フィンランドは、1809年から1917年までロシアの自治大公国で、独立は1918年である。1800年代中頃から、社会的母性という思想が広がり、大きな影響力を持っていった。

社会的母性は、家庭を私的領域と規定、そこでの母の役割の重要性を強調し、さらにその役割が家庭を超えて、社会的さらには国家的意義を持つとする思想である。