滋賀にはだから、歴史的な名跡がたくさんある。
ただ、それは近代以前のものがほとんどだ。
明治の後半には鉄道が通り、やがて高速道路でトラックが走る時代になると、滋賀県はスルーされるエリアになってしまった。
滋賀の「中心」はどこか
行ったことのない都道府県はどこか、というのを聞いてまわったことがある。「通り過ぎただけの県も挙げてください」と聞いたのだが、滋賀県を挙げない人が多かった。滋賀県には行ったこともなければ、通り過ぎたこともない、というのだ。
東京や横浜から、京都・大阪へ行く場合、ふつう滋賀県を通過するのだが、そういう意識がないらしい。静岡県は通過するだけの土地という認識を持たれているが(新幹線のぞみのことです)、滋賀県はその可能性も考えられていない。場所をあまり把握されてないのだ。
滋賀は琵琶湖沿いに交通が発達した。
滋賀県の半分くらいを琵琶湖が占めてるというイメージを持つ人がいるが(ひどいと琵琶湖沿岸だけに人が住んでるようにおもったりもする)、琵琶湖はそこまで大きくない。滋賀県の六分の一くらいである。まあ県の六分の一が湖ってのはおそろしく大きいとおもうけどでも、でも県の六分の五には水はたまっていない。
湖の南端から右上(つまり北東)方向へ伸びるラインが、滋賀県の中心エリアである。
京都から行くと、大津があって、草津があって、近江八幡があって、彦根があって、米原がある。(抜かしたところはごめんなさい)そこから右へぐいっと曲がって、新幹線は岐阜県へ入っていく。曲がらず琵琶湖沿いに北に行けば長浜になる。
米原は東海道線から北陸線へ乗り換えるジャンクションである。いまも滋賀県内の新幹線の駅は米原にしかない(新しい駅を作ろうとして取りやめになったことはある)。京都から東へ旅行するときは、米原駅が大きな駅なので、子供のころからよく知っていた。「米原」が難読駅名だと聞いて、とても驚いたことがある。子供のころから使ってたからですね。言われてみれば読みにくい。「マイバラ」駅です。