イラストレーターの松尾たいこさんは、大好きな仕事と理解し合っている夫がいて、思わずうらやましくなるような生活ともいえます。しかし実は、長い間自分に自信が持てず、32歳の時に上京してからひとつとつコンプレックスを克服して前に進んできたのです。現状までには、毎日の積み重ねでしか成し遂げられなかったといいます。それではどのようににしてモチベーションを維持し、どんな「コツコツ」を積み重ねてきたのでしょうか。

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人と比べて落ち込む日々だった

もともと30代前半までの私はコンプレックスだらけでした。外見も内面も全く自信がありません。でも思い返してみると、そこまで自分を卑下する必要なんてなかったし、もっと毎日を楽しめばよかったのに、とアドバイスしたくなってしまいます。人と比べては「私なんてダメだ」とすぐに落ち込むという、なんとも無駄な日々を送っていました。

そんな私が唯一得意だった絵を勉強したいと、一念発起して32歳で東京に出てきました。そこでイラストレーターになりたいという同じ夢を見る仲間に出会えたことで、いつからでも夢を追うことはできるんだと感じ、その中で、「じゃあ自分自身も変わっていけるかも。変えていきたい!」と思うようになりました。

イラスト学校時代 写真提供/松尾たいこ

7年かけて外見のコンプレックスを克服

まずは手っ取り早くできることからということで、外見のコンプレックスをひとつひとつなくしていくことからスタート。

一番のコンプレックスだった歯並びの矯正からです。手っ取り早くと言っても、矯正器具を付けて2年以上、痛みや日常生活の不自由さに耐えました。
でも、お陰で歯を見せて笑うことが苦手ではなくなり、次第に自然な笑顔ができるようになれたのです。「笑顔がいいね」と言われることも増え、笑顔でいると親切にしていただけたり、いろんなお誘いも多くなったりと、いいことばかり。

その後も、メイクアップ教室に通ったり、パーソナルカラー診断を受けたりと外見磨きに励みました。

さらに自分に合うヘアスタイルに出会いたいと、友人の紹介でヘアサロンTwiggyの松浦美穂さんにカットをしてもらったことも大きいです。それまで長い間、セミロングのボブスタイルで、「これが自分には一番似合う」と思い込んでいたのですが、「ショートカットのほうが、頭の形もきれいにみえるし似合うから」と言われ、おまかせしてカットしていただいたら、いきなり会う人会う人に髪型を褒められるようになりました。

そんな感じで外見をコツコツと変えていくたびに褒められると、それは自己肯定感を高めてくれ、おかげで表情もどんどん明るくなります。

外見を変えていくと、内面まで変われるんですね。
そして「思い込み」や「固定観念」をなくし、アドバイスは素直に聞き、悩みはプロに任せるほうがいいとあらためて気がつけました。

こうやって私は7年ぐらいかけて少しずつ外見のコンプレックスを減らしていったのです。