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文在寅の凋落とチョ・グク法相辞任の裏にある「左翼崩壊のセオリー」

学生運動に関わった筆者の実体験から

逃亡と裏切り、内ゲバが始まる

韓国のチョ・グク法相が辞任した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領には、もちろん痛手だ。左翼運動が終わるサインは「逃亡」と「裏切り」、それに「内ゲバ」と相場が決まっている。法相辞任は、文政権の「終わりの始まり」とみて間違いない。

チョ氏は会見で「これ以上、私の家族のことで大統領と政府に負担をかけてはいけない、と判断した」と語った。娘の不正入学や不正蓄財問題などで批判される中、検察改革の私案をまとめたのを機に、ここが潮時と見定めたようだ。

 

政権の潮目が変わったのは、10月3日に開かれた「反・文在寅」集会だった。主催者発表の300万人動員はさすがに大風呂敷としても、写真や動画で見る限り、会場の1つである光化門広場は、参加者の人並みで埋め尽くされていた。大変な数である。

このまま法相に居座れば、集会とデモが収まらないだけでなく、最悪の場合、警察や軍の離反が起きる可能性もゼロとは言えない状態だった。韓国はクーデターで政権が倒れた例が1961年と1979年の2回ある。チョ氏はそうなる前に、自ら戦線離脱を選んだ形だ。

私は逃亡と裏切り、内ゲバを「左翼の一般理論」と呼んでいる(https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191012/for1910120002-n1.html)。勢いがあるときは、みんな元気に気勢を上げるが、ひとたび潮目が変わると、逃亡が始まる。1人、2人と戦線からこっそり脱落するのだ。そんな人たちの多くは、もともと付和雷同なので、逃げ出しても、べつに「内心、忸怩たる思い」などない。

次が、裏切りである。それまで威勢が良かったので、周囲は唖然とするが、本人は「自分は終始一貫している」と言い張ったりする。なぜ、そんな態度が通用するかと言えば、もともと左翼は現実に目を向けずに、空理空論を唱えているからだ。

現実に関係なく、言葉で立派な理想を語っているだけなので、理屈はどうとでも言える。そうやって逃亡と裏切りが始まると、残った人は一層、過激な路線を唱えるようになる。付和雷同組がいなくなるから、過激さを競い合うのは自然な流れでもある。行き着く先が仲間割れと内ゲバだ。