日本人が知らない「温暖化対策」巨額すぎる無駄なコスト

見習うべきは日本の災害対策投資だ
大原 浩 プロフィール

大自然と共生してきた日本人の知恵は素晴らしい

コオロギの鳴き声に「音楽性」を感じるのは日本人だけだという話をよく聞く。日本以外の国々の人々には、単なる鳴き声、つまり騒音でしかないということだ。

この話の真偽はともかく、今回の台風だけでは無く、地震も含めた数多くの災害が発生する日本で、人々が「自然と共生」しようと絶え間ない努力を行ってきたのは素晴らしいことである。

いつも人々にやさしいとは限らない自然を神とあがめて受け入れ、自分たちのできる範囲で共生してきたのだ。決して「自然環境そのものを変えよう」などと、恐れ多いことは考えなかった。

 

しかし、日本人たちは自然がなすがままになっていたわけではない、少なくとも江戸時代には治水工事が盛んに行われるようになり、そのおかげで災害時に失われる人命は徐々に減ってきた。

今回の台風19号は、おおよそ1200人が亡くなった1958年の狩野川台風に比べて、死者は今のところ100名を大きく下回る(亡くなった方々のご冥福をお祈りします)。

もちろん、1名でも人命は尊いが、死者数が劇的に減ったのは、治水をはじめとする防災工事や情報伝達の徹底など、事前の対策が効を奏した結果であるといえる。

年間100兆円以上の資金を費やして地球の気温を0.05度下げるくらいなら、その費用の十分の一でいいから、災害対策に使えば世界中の多くの尊い命が救われるはずである。

繰り返すが、人類は地球環境に適応してきたからこそ生き残ってきたのだ。決して、地球環境を変えたから生き残ってきたのではないし、そのような途方もないことなどできるはずもない。