地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
英国の生物学者で、プリンストン大学教授のピーター・レイモンド・グラント(Peter Raymond Grant、1936- )がロンドンで生まれました。
ピーターと妻のバーバラ・ローズマリー(Barbara Rosemary Grant、1936- )は、ともにプリンストン大学の進化生物学者。夫妻は共同研究者や学生とともに、ガラパゴス諸島・ダフネ島に半年ほど滞在し、ダーウィン・フィンチにタグを付けて、血液サンプルを採取し放すという方法で、研究を重ねてきました。
それが、なんと「1973年以来、毎年」ということですから、かなり長期の調査です。
長年の調査で、「フィンチの嘴と体のサイズが、どのようにして食糧の変化に対して反応するか」を研究し、その研究成果は自然選択で引き起こされる謎の解明に大きな影響を与え、新種の形成や遺伝的多様性の維持についても、大きな示唆を与えたとされています。
2009年には、「環境変化に応じて自然淘汰が生物の形態や行動を急速に変化させることを示し、自然淘汰による進化の実証例として進化学、生態学の分野をはじめ、社会に多大な貢献をした」として、京都賞を受賞しました。
京都賞受賞時のインタビュー
くわしい研究方法やその発見については、ブルーバックス・ウェブサイトの好評連載『更科功の「一番簡単な進化の講義」』でも紹介しています。ぜひ、ご一読ください。