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ほぼすべての資産を奪われて…悪徳「オーダーメイド介護」ヤバイ手口

実話を元に書いた小説『ひと喰い介護』

核心部分は100%実話

―72歳の独居老人・武田清は、介護業者が運営する宅配弁当を頼んだことをきっかけに施設が用意したサロンに仮住まいをはじめる。

そこで提供される手厚いオーダーメイド介護と引き換えに判断力、体力、財力を奪われていった武田を待っている運命は……。司法書士の肩書を持つ安田さんの新作『ひと喰い介護』は、悪徳介護業界を舞台にしたスリリングなサスペンス小説です。

今回の物語の骨格は司法書士として体験したある介護施設での出来事に着想を得ています。

作中に登場する頼りない司法書士のモデルが当時の私で、途中まで介護施設の実態にまったく気づくことができなかった。事実を知った後、介護施設を訴えることも考えましたが、どこにも法律に触れる部分がないのです。

 

ただ、違法性がなくても高齢者を食い物にしているのは事実。そのことを世間に告発しなければいけないとの思いで書いたのが今作でした。自分の中で贖罪の意味もあります。

―実話がベースと知って更に怖くなりました。物語の中で実話に基づくのはどの程度ですか。

驚かれるかも知れませんが、核心となる部分に関しては100%事実です。ターゲットは孤独な独居老人。お弁当の宅配をきっかけに経済状態や家族構成を把握され、介護施設に取り込まれていった。

至れり尽くせりの介護を提供するのと並行して親族との関係を遮断。財産管理をしているように装い、お金をどんどん使わされる。

体力が衰え、判断力も低下すると、引き出す金額が加速度的に増加し、10年でほぼすべての資産を奪い取られてしまった。異変に気づき親族が組織から引き離したものの、2ヵ月後には息を引き取りました。これらすべてが実話で、施設は今も営業しています。