VTuberが教えます! 世界一わかりやすい「超伝導」講座

あなたの「推し超伝導体」を見つけよう
空飛ぶ自動車、世界中のあらゆる場所へエネルギー損失なしで電気を運べる電線、世界最強の永久磁石の50倍の強さをもつ磁石、そして地球が出す磁場の1万分の1以下の磁場変化を検出できる装置。
この全部が「超伝導」で実現できると聞いたら、ワクワクしてきませんか?

「超電導」「超伝導」って、なに?

こんにちは! 京都大学物理系研究室非公式ブイチューバーの固体量子(こたいりょうこ)です。皆さんに超伝導のことをもっと知ってもらいたくてアウトリーチ活動をやってます。

YouTubeに超伝導や物理に関する実験動画や解説動画をアップしてますので、ぜひチェックしてみてください。

さて、皆さんは「超伝導」という言葉を聞いたことがありますか?

科学のニュースに敏感な人はもしかしたら「超電導」って文字を見たことがあるかもしれませんね。実は「超電導」と「超伝導」は同じ現象を表してる言葉です。

主に基礎研究の分野では「超伝導」、応用研究の分野では「超電導」を使うことが多いです。私は基礎研究をしてますので、「超伝導」のほうを使っています。この記事でも「超伝導」を使わせていただきます。

この「超伝導」、どういう現象のことかというと読んで字のごとく、超、伝導(電導)する、つまり、めちゃくちゃ電気を流すっていう現象です。

 

電気を流すというと金属を思い浮かべると思いますが、金属よりもめっちゃ電気を流します。多くの金属は、電流を流すと電気抵抗のせいで発熱して、エネルギーをロスしてしまうのです。

電気抵抗が小さい物質の代表は銅で、多くの電線にも使われています。ですが、発電所から皆さんの家庭に電気が届くまでに、銅の電気抵抗のせいで5%程度エネルギーをロスしてしまうといわれています。 

5%というとざっくり600万人分の電気なので、膨大な電力がロスされてると言えますね。

古河電工のホームページ(https://www.furukawa.co.jp/rd/superconduct/merit.html)より引用  拡大画像表示

一方、超伝導の場合、エネルギーのロスなしで電流を流すことができます。これが超伝導の特徴の一つ「電気抵抗ゼロ」です。

つまり、超伝導になる物質、すなわち「超伝導体」で電線をつくると、電気抵抗によるエネルギーロスをなくすことができます。

さらに、電気抵抗は電線の長さに比例するので、銅の場合は長くすればするほどエネルギーをロスしてしまいますが、超伝導ならどんなに長くしてもゼロ抵抗なので、エネルギーをロスしません。

電気抵抗が温度でどう変わるかの図。超伝導状態では電気抵抗がゼロになる
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さらに超伝導にはもう一つの特徴があります。