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全裸監督・村西とおると、ドン・キホーテ社長との「意外な共通点」

村西とおる「わが人生最高の10冊」

ドン・キホーテに魅せられて

1位に挙げた『安売り王一代』は、ドン・キホーテの創業者である安田隆夫氏の半生記です。

ドン・キホーテは30期連続の増収増益という、前代未聞の実績を達成している絶好調の企業です。しかし安田氏自身は起業前にセールスなどのリアルな厳しいビジネスの現場を経て、起業後も深夜営業が住民の反対運動にあうなど、道のりは決して順風満帆ではありませんでした。

彼はそうした逆境にも決してめげることなく、あくなき挑戦を続けます。まさに血湧き肉躍る冒険活劇のようで、最後までハラハラしながら読むことができました。

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私は安田氏と同世代なんです。経営とAVという世界の違いはあるものの、安田氏とは幼少期に読んでいた本など共通点も多く、新たに発奮させられる契機にもなりました。

安田氏の、人と人とのつながりという「基本」を大事にする姿勢にも魅せられました。15年前、店舗への連続放火で従業員3名の方が亡くなるという痛ましい事件がありました。その後の記者会見で、安田氏は幼少の頃以来誰にも見せなかった涙を流し号泣しました。

 

今日においても事あるごとに3人の遺品に手を合わせて、その時のことを「心の戒め」としています。こうしたハートフルな一面があったから、ドン・キホーテもあそこまで成長していったのだと感じました。

実際にドン・キホーテに足を運ぶと、音楽や装飾のポップさなど、店内は楽しさに満ちていて、それまで知ることのできなかった商品の魅力や情報が溢れています。「店内は劇場だ」という、安田氏ならではの需要を創造する哲学に貫かれているのです。

家族の絆に思わずほろり

やっぱし板谷バカ三代』は、フリーライターのゲッツ板谷氏が、自身の家族について面白おかしく語ったエッセイです。とにかくこの家族が破天荒なんです。

たとえばお父さんは火炎放射器で庭の草を焼いていて、うっかり自宅の母屋を全焼させるとか、弟のセージさんは家で飼っていたカナリヤをシャンプーで洗って死なせてしまうとか、驚きのエピソードには事欠かない。