ジム不要!めきめき体力がつく「ウォーキング」の新常識、教えます!

「一日一万歩」は意味がない!?
能勢 博 プロフィール

すると、折り返しその評価が端末に帰ってくる。それに基づいてトレーナー、保健師、栄養士などが個別の運動指導をする。

彼らが主にチェックするのは「参加者が、個人の目標レベルの強度以上の歩行を、一定時間実施しているか」だけである。その結果、マシン・トレーニングに比べ、人件費が極端に節約できた。

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以上のシステムを使って、これまで7300名の中高年者を対象に5ヵ月間のインターバル速歩トレーニングの効果を検証した。

その結果、5ヵ月間の継続率が95%、体力が最大20%向上、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標が20%改善、膝痛・腰痛などの症状が50%改善、そのほか、うつ症状、認知機能も有意に改善した。

すなわち、これまでマシン・トレーニングでしか得られないと考えられてきた運動処方効果が、その10%の費用で得られることが明らかとなった。ここまでくるのに20年近くを要したのだ。

「インターバル速歩」でわかった4つのこと

このような運動処方システムはこれまで国の内外を問わず存在しなかった。したがって、これまで報告されていなかった様々なことが明らかになりつつある。主な点は以下の4つである。

(1)「一日一万歩」は効果がない!?

読者がお馴染みの「一日一万歩」には、「運動強度」の概念が入っていない。

通常、人がウォーキングをする場合、その強度は個人の最大体力の40%程度である。一方、体力向上に必要な運動強度は60%以上で、このレベルで運動すると動悸が起こり、息切れも起こる。したがって、ほとんどの人はこの強度でウォーキングをするのを嫌がる。

実は、このレベルの運動を実施しないと体力は向上せず、したがって生活習慣病の症状の顕著な改善効果が得られないのだ。だから、「一日一万歩」を目標にダラダラ歩いてもほとんど効果がない。

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なぜ、これまで「一日一万歩」“神話”が信じられてきたのか。

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