2019.10.22
# 生物 # 週刊現代

衝撃! 猫と暮らせば、人間の「謎な行動」の裏付けができる可能性

「猫脳」のすべてを知りたい
佐藤 優 プロフィール

猫脳がわかる』は脳科学の知見に基づいて、猫の行動について分析した好著だ。猫の帰巣能力についてはこう説明する。

<比較的新しいところでいうと、5年ほど前、アメリカのフロリダ州でこんなニュースがありました。飼い主と旅行中に行方不明になった猫が、約320キロの道のりを数カ月かけて、無事に家に戻ってきたというのです。

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日本でも同じくらいの距離を戻ってきた猫の話がありますが、マイクロチップを装着していたわけではないので、真実は定かではありません。

そのような帰巣本能のメカニズムはまだ科学的に解明されていない部分が多いのですが、動物の生理的な時間感覚である体内時計が関係しているという説が有力です。

数百キロも離れたところに移動すると、元にいた場所での体内時計と、太陽の位置にズレが生じます。このズレを修正しようとある方向に進んでいくことで、元にいた位置に辿り着くという考えです>

評者が中学1年生のときに、飼っていた雌猫にさかりがついて、あまりにうるさく鳴くので、父が母に言いつけて猫を数キロ先の空き地に捨てたことがある。

評者と妹は憤慨して父とまったく口をきかなかった。それから数日して猫が戻ってきた。父が「よく戻ってきた」と猫を抱きしめて、それから父は大の猫好きになった。

 

あのときの猫も体内時計を使ったのであろうか。人間にも体内時計がある。しかし、時間を機械時計で計るようになったため体内時計と太陽の位置のズレを感知できなくなってしまったのであろう。人間は文明の代償として、本能を弱らせたのだ。

猫が自分の名前を判別できることも科学的に明らかにされた。

〈ここに興味深い研究結果があります。2019年4月、英国の科学誌に発表されたもので、飼い猫は、「自分の名前」と「一般名詞」と「同居猫の名前」を聞き分けられることが、実験で明らかになったというのです。日本の上智大学の研究チームが行ったのは要約すると次のような実験です。

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