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ドラフトの大本命、佐々木と奥川は「即戦力」になりえるか

動作解析の第一人者が検証したら…

2人の類まれな「共通点」

10月17日のプロ野球ドラフト会議では、大船渡高校の佐々木朗希投手と星稜高校の奥川恭伸投手を何球団が1位指名をするか、大きな注目が集まっています。その2人のピッチングフォームを動作解析し、本当にプロの世界で戦える力があるかどうか、検証しました。

【図A】(筆者作成)
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上の【図A】を見てください。これはスティックピクチャーと呼ばれる、体の各部位の局面ごとの働きを解析しやすくするために選手の動きを簡素化したもので、上が奥川投手、下が佐々木投手です。

2人のフォームを並べてみて、まず目についたのは左から3コマ目で、軸足である右足の形がよく似ていること。ピッチャーは助走をつけることができませんので、体重移動によって得られる大きな力をまず踏み込んだ足で受け止め、それを体幹、肩、肘、手首、そしてボールをリリースする指先にいかに伝えるかが非常に大事です。

しかし、ただ前にボンッと体重を移動すればいいわけではなく、ある程度、右足に体重を残しておかなくてはいけない。そうしなければ体が前に突っ込んで、ほかのメカニクスがうまくいかなくなるからです。適度に体重を右足に残して、ためを作りながら、体を前に移動させる。簡単に思われるかもしれませんが、これが実は難しい。しかし両投手ともこのときの形がプロの一流ピッチャーとほとんど変わりません。股関節を理想的に少し曲げながらもきっちり体重が乗っている。

 

これが実現できるのは、1コマ目の左足を上げたときの姿勢が良いためです。良いピッチャーというのは、ここで軸足が揺れるようなことがなく、しっかりと立てる。筋肉で言うと、太ももの裏側のハムストリングとお尻の殿筋群がしっかりしている証拠です。

また、力をためるという意味では腿の内側の内転筋が大切なのですが、それも殿筋群が優れていればこそ。逆に言えばお尻がしっかりしていれば内側に力がたまりやすい。ここがうまく機能していないと腿の前の大腿四頭筋に力が入ってしまったり、腰が引けてしまい、体重が乗っているように見えて、力がたまってほしいときにそれができていないという状況になってしまうのです。