2019.10.16
# 企業・経営

オンワード600店閉鎖…ウラにある「アマゾン・エフェクト」の破壊力

消費行動が激変しつつある
加谷 珪一 プロフィール

アマゾン・エフェクトによる消費行動の変化も着実に進んでいる。

米国では、毎年11月末の感謝祭翌日に小売店が一斉に感謝祭セールを行う。感謝祭のディナーで七面鳥とアップルパイを食べた後、お目当ての商品を狙って、夜明け前からお店に並ぶというのは、典型的な米国人消費者の姿といってよい。ところがここ2~3年、こうした光景はあまり見られなくなり、感謝祭の買い物はすべてアマゾンで済ませる人が急増している。

たかがお店のセールではあるが、買い物が大きなイベントとなっている米国社会において、感謝祭セールの光景が一変するというのはかなりのインパクトといってよい(少し言い過ぎかもしれないが、日本において初詣に行く人が激減したというくらいの衝撃がある)。

 

「置き配」がもたらす想像以上の破壊力

ライフスタイルの変化を伴うネット通販の急拡大は、ほぼ間違いなく、数年の時間差を置いて日本にもやってくる。今回のオンワードの大量閉店は、その前兆といってよいだろう。

あまり目立たないが、アマゾンは着々と小売市場の地殻変動をもたらす施策を実施している。数年後には極めて大きなインパクトをもたらすと考えられているのが、自前配送網の拡充と置き配(おきはい)だろう。

アマゾンジャパンは2019年4月から、個人に商品の配送を依託する「アマゾンフレックス」を本格的にスタートさせている。荷物の配送を請け負いたい個人はアプリ上で申請を行い、荷物を配送した上でアマゾンから配送料を受け取る。

アマゾンの配送業務を受託するためには、貨物軽自動車運送事業の届け出が必要なので一定の制約はあるが、理屈上、アマゾンは無制限に配送要員を動員できる。この仕組みが社会に広く普及した場合、多くの宅配業者は不要となるので、アマゾン側の自由度はさらに上がるだろう。

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