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# 関西電力 # 原発

関電問題、本当に追求すべきは政府・経産省「逃げの政策」だ

会長らの辞任でけじめはつくのか…?

すでに故人となっている、高浜原発がある福井県高浜町の元助役から幹部役員らが多額の金品を受け取っていた問題の発覚から12日を経た10月9日、関西電力は八木誠会長と岩根茂樹社長のツートップを含む6人の現職役員の辞任と、今回の問題解明にあたる第三者委員会の委員長及び委員の人事を発表した。

この一連の火消し策は、厳罰と徹底調査を掲げることで早期にスキャンダルを鎮静化させようというものだ。政府・経済産業省がシナリオを描き、関電が渋々従ったものと断じてよいだろう。

関西電力・八木誠会長/Photo by gettyimages

その直接の動機は、会期中の特別国会を乗り切ることだ。しかし、今回の疑惑の背景に、原子力・環境行政は、選挙で票に繋がらないからと、高浜原発再稼働に向けた地元・福井県高浜町からのコンセンサス取付や東京電力・福島第一原発の処理済み汚染水の海洋放出、使用済み核燃料の最終処分地決定といった課題に、ことごとく知らぬ顔を決め込み、厄介な問題を原子力発電所を持つ電力各社に押し付けてきた政府・経産省の“逃げの政策”があることは明らかだろう。

政府・経産省は火消しばかりに躍起にならないで、そろそろ自らの原子力行政に活を入れるべきである。さもないと、15号、19号とこのところ襲来が相次ぐ超大型台風の原因とされる地球温暖化の対策、CO2の排出削減も覚束ない。

 

唖然とする話

まず、今回の関電問題の経緯を見ておこう。

第一報は、毎日新聞が9月27日付朝刊で、「関電会長らに1.8億円福井高浜町元助役提供 国税指摘 原発マネー還流か」という見出しでスクープした記事だ。

これを受けて、関電は9月27日午前、大阪市内で記者会見を開き、今年3月に死去した、福井県高浜町の元助役から、八木会長や岩根社長ら20人が2011~18年にトータルで3億2000万円相当の金品を受領していたと発表した。

関電の岩根社長はこの時、「関係者に多大な心配やご迷惑をおかけし、お騒がせしたことを深くおわび申し上げる」と述べ、関電は八木会長と岩根社長の報酬カットを明らかにした

元助役が「地元の有力者であり、先方が厳しい態度で返却を拒んだため、関係悪化を恐れて、金品を一時的に保管していた。20人全員が儀礼の範囲を超える金品をすでに返却した」と釈明したうえで、関電が行った社内調査で判明した事実として、金品を受け取っていた中に原子力事業本部の社員らが含まれていた事実も明らかにした。

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聞くものが唖然とする話もあった。関電は1年以上前に社内調査を終えながら、「工事の発注プロセスは適当だった。違法な行為ではなく、外部に公表する事案ではなかった」と解釈して、調査の存在を隠してきたというのだ。加えて、会見では、誰がいくら受領したのか、高価な物品とは何だったのかについて公表を拒否した。

そもそも金品の提供は、国税当局の税務調査で判明したものだ。その原資は、原発関連工事を担う地元の建設会社からの資金だった可能性がある。つまり、原発マネーが関電に還流した「キックバック」の疑いを拭えず、資金の流れの全容解明が課題として残った。

菅原一秀経済産業大臣は記者会見で、「事実とすれば極めて言語道断で、由々しき事態だ」、「徹底解明し厳正に処する」と話し、関電が政府・経産省から厳しく追及される事態に発展。筆頭株主の大阪市の松井市長らも関電を厳しく批判した。

 
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