わたしの例が「絶対」ではない

というのも、ドイツは「担当者がすべての国」なのだ。担当者 is 神。担当者がその場を支配している。

留学時代、日本人の先輩とまったく同じ書類をもって銀行に行き、口座を開設しようとしたところ、わたしはできたが先輩はできなかった。それくらい、担当者次第なのだ。

ビザ更新の際は本来の担当者がバカンスで不在、臨時の担当者はまったくちがう書類を要求してきた。しかしいくら抵抗してもムダ、その担当者がOKを出さない限りこちらはどうにもならない。

「ドイツ人はルールを守る」なんてイメージがあるようだが、そのルールは完全に担当者のさじ加減。「あなたの同僚はこう言っていた」と言っても、「知ったこっちゃない」「その人がまちがっている」「わたしは言ってない」と、そう言われるのが日常茶飯事。

すべてにおいて担当者次第であり、確実なことはその該当施設の、該当部署の、該当窓口の、該当担当者に問い合わせるしかない(そのくせ担当者の言い分もコロコロ変わるものだからタチが悪い)。

役所でもたらいまわしになったり、何時間も待たされることも… Photo by iStock

だからわたしは、ドイツに移住する際、大学に入学する際、ビザを取得する際、年金の手続きをする際、確定申告をする際、すべて直接担当者に聞いた。メールして、電話して、足を運んで、なんどもなんども問い合わせた。

「俺の担当じゃないからあっちに電話を」「わたしも担当じゃないから今度はあっちに」と何度たらい回しされたことか。

担当者にメールを3度しても返信がなく、2時間かけて大学に行ったものの「書類がなきゃなにも言えない」と門前払いを食らったこともあった。

たった1枚の書類が正しいか確認するために外国人局で2時間待ったこともあるし、年金の書類の書き方がわからず面倒臭がる担当者に泣きついたこともある。

日本にいたときだって、メールはもちろん、追跡サービスをつけて書類をドイツまで送り、返事を待った。