22歳で大学卒業と同時にドイツに留学し、移住した雨宮紫苑さん。著書『日本人とドイツ人 似ているようでどっちもどっち』(新潮新書)などに留学のことやドイツで見聞きしたことを綴っている。その雨宮さん、数年前から、ブログのお問い合わせ欄に「留学アドバイス、ビザサポートなどは行っておりません」と記すようになった。それは、驚くべき「親切搾取」の渦に巻き込まれたからだという――。

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8月9月に増える「留学&移住相談」

秋物の洋服を携えて一時帰国したものの、日本はまだまだ夏。30℃って、いったいどうした。夏服なんてもってないぞ。

しかしわたしを戸惑わせたのは、暦に追いついていない気温だけではない。そう、連日届くお問い合わせ……もとい、「親切搾取」のメールである。

ヨーロッパでは10月が新学期だからなのか、日本が夏休み時期だったからなのかはわからない。ただ、8月、9月というのは、留学や移住相談のご連絡を多くいただく季節だ。

まずお伝えしておくと、わたしはブログのお問い合わせ欄に「留学・移住のアドバイス、ビザサポートなどは行っておりません」と明示している。それでも、1週間で5通ほど、留学や海外移住に対するお問い合わせメールが届いた。

「はじめまして。アメリカの大学からドイツの大学に編入する際、単位交換はできますか?」

「ドイツの家賃を教えてください。返事待ってます!」

「現在ドイツ語力がこれぐらいなのですが、半年で大学入学できますか? ご回答お願いします」

「ドイツで働きたいのですが日本人でも仕事は見つかりますか? 紹介してくれませんか?」

こんなメールが、定期的に届くのである。

「えっこんなことを聞いてくる人がいるの?」と驚くかもしれないが、一番驚いたのはまちがいなく、こういったご連絡をいただくわたしである。