ジェフ・ベゾス肝いり! Amazonが「謎の通信規格」をつくる理由

Alexaの陰で進行する秘密実験とは
西田 宗千佳 プロフィール

ソフトの力で新しい音楽体験を生み出す

「Echo Studio」は、従来のEchoほど小さい製品ではない。

Echo Studio新しいスマートスピーカーである「Echo Studio」。立体的な音を奏でられるのが特徴。日本でも12月5日より出荷開始。2万4980円
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だが、巨大なハイエンドオーディオ用スピーカーや、いくつものスピーカーを室内に設置するサラウンドシステムに比べれば、ずっとコンパクトだ。それでいて、これ1台で「立体音響」を表現できるのが大きな利点となっている。

オーディオの世界では現在、「空間オーディオ」の波が起ころうとしている。

 

従来のスピーカーシステムは、2台・5台・7台といったスピーカーの位置に合わせて音をチューニングし、中央に座っている人に「音響空間」を感じさせるものだった。

だが、現在の空間オーディオでは、データとして「空間の中で音が鳴る位置」の情報をあらかじめ用意し、そこから「計算」によって音を生み出す。部屋の中での反響を利用するため、ポットのような大きさのスピーカーシステムを部屋に置くだけで、ステレオ的な広がりも、その場にいるような臨場感も再現できるしくみだ。

もちろん、高価なオーディオシステムのもつ繊細な音や、映画館のような本格的なサウンドシステムにはかなわない。しかし、自宅で気軽に「音の広がる空間」を楽しめるのは、大きなメリットだ。

「Echo Studio」の内部モデル複数の方向に音を発する構造をもつ「Echo Studio」の内部モデル。ここにソフト処理を加えることで、「周囲に立体的に広がる音」を生み出す
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なにより重要なのは、こうしたシステムはソフトウエアの力で実現されている、ということだ。ハードウエアにソフトで付加価値をつけるのは、Amazonの得意技であり、Echo Studioはまさにそれを体現する存在なのである。