少子超高齢化した日本を襲う「2022年危機」そのヤバすぎる現実

団塊の世代がついに75歳を超え始める
週刊現代 プロフィール

もうひとつ、'22年以降に起こる問題として認識しておかなければならないのが、「インフラの老朽化」だ。

9月上旬に発生し、日本に未曽有の被害をもたらした台風15号。千葉では2000本以上の電柱が倒壊・破損し、60万軒以上で停電が発生したが、これほど多くの電柱が倒れたのは、老朽化も要因のひとつだった。

災害や事故が起こるまで気づかないが、この国のインフラの老朽化は見えないところで進行しているのだ。

「道路や橋、水道といったインフラは、建設・設置から大体50年が経つと事故や破損、不具合などが生じる可能性が高くなります。

日本のインフラは、高度経済成長期以降の1970年代に全国に一斉に整備されていきました。つまり'20年代から、日本全国のインフラの老朽化が急速に進むことになるのです」

こう話すのは、東洋大学経済学部の根本祐二教授だ。国交省の調査によると、'22年には日本全国の2m以上の橋のうち約40%、トンネルで約31%、国が管理する水門などの河川施設の約40%が、建設から50年以上経過するという。さらにその10年後の'32年になると、それぞれ65%、47%、62%にまで急伸する。

崩落・陥没事故が多発

日本全土でインフラの老朽化が進むとどのようなことが起こるのか。根本教授が説明する。

「たとえば'12年には山梨県の笹子トンネルで天井板崩落事故が起こり、9人の方が亡くなりましたが、あれは天井板を支える金属ボルトの老朽化によって起こりました。

大きな台風のあとに橋が流されたというニュースをご覧になることがあると思いますが、老朽化によって橋が洪水に耐えられなくなったことが原因の場合もあります。

その他にも水道管が老朽化すると破裂して断水につながります。また、地面の中の下水道管が老朽化して破損し、そこに土砂が吸い込まれて空洞ができると道路が陥没する。

先日、千葉市でも道路の陥没事故が起こりました。こうした事故が'20年代以降は日本各地で頻発するようになります」

根本教授によれば、老朽化したインフラの新設・整備・補修に必要な額は今後50年で450兆円。年間9兆円ほど必要になるというが、社会保障費の増大に苦しむ国が、そんな巨費を捻出できるわけもなく、放置され続ける。

 

さらに不動産アナリストの石澤卓志氏は、インフラ補修を行う技術者の不足も問題になるだろうと警鐘を鳴らす。

「修繕技術を持った人たちが、今後続々と退職します。少子高齢化が進むなか、新しい技術者の確保・育成も困難になるので、土木技術者の不足も大きな問題となってくるでしょう。

そうしたことを踏まえて、国土交通省が主催するインフラ設備の課題や問題点を協議する『社会資本整備審議会』では、ある日突然橋が落ち、犠牲者が発生する事態がいつ起こっても不思議ではないという懸念を表明しています。

残酷な話ではありますが、今後は老朽化したインフラを修理も点検もせず使い続けることになります。それはすなわち、日常的に命に関わるような危機と隣り合わせで生活をしなければならない、ということなのです」

関連記事