少子超高齢化した日本を襲う「2022年危機」そのヤバすぎる現実

団塊の世代がついに75歳を超え始める
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日本全土が「負動産」に

東京オリンピックを前に活況を呈している不動産も、五輪という祭りが終われば一気に暗転する。

東京・中央区の「晴海フラッグ」。'23年から居住開始となる地上14~50階建てこのタワーマンションの販売が7月から始まったが、最上階の部屋こそ一瞬で完売したものの、一部の住戸では「応募ゼロ」のものがあった。

「都心部のタワマンは、売りに出されれば間違いなく完売する」というタワマン神話は、すでに崩れつつあるのだ。

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東京を暗い雲が覆い始めたが、不動産コンサルタントの長嶋修氏が予測する'22年以降の日本の不動産市場は、さらに暗い。

「日本全国で見たときには、東京五輪以降、地価や不動産価格は下がっていくしかありません。結局不動産の価格は需要と供給のバランスで決まります。

新しい住まいを必要としない高齢者が増え、消費意欲旺盛な若い世代が減っていく日本では、需要がどんどん下がっていくので、当然価格も下がるわけです。

今後、日本の不動産は3極化していくと思われます。価値の落ちない都市部の不動産が全体の15%、都市部や主要駅から少し離れていて、価値が徐々に下落していく不動産が70%、そして都市部や駅からも遠く離れていて、ほとんど価値のなくなる不動産が15%。人口減少の速度が激しいところほど、価格の下落も激しくなります」

「ほとんど価値のない不動産」は、現在進行形で増えている。「不動産の100均」と呼ばれるサイトが登場し、不動産業界で波紋を呼んでいることをご存じだろうか。

「YADOKARI」と「あきやカンパニー」という不動産企業が運営するこのサイトでは、日本中の使われなくなった空き家を「100円物件」として紹介。

所有希望者を募り、その活用の仕方の相談に乗ったり、仲介を行っている。紹介物件数はまだまだ少ないが、軽井沢の空き家や島根の海水浴場近くの家も掲載されている。

 

一昔前なら、軽井沢の家が100円で売り出されることなど考えられなかっただろう。だが、「日本はすでに不動産がタダで手に入る国になっているのです」と指摘するのは、経済アナリストの米山秀隆氏だ。

「100円という値段がついているだけでも、いまはまだマシかもしれません。10年後には100円でも買い手がつかない不動産が相当範囲に広がっていて、どうしても手放したいときには、引き取り手におカネを払わなければならないような時代がくるでしょう。

今後、日本には『誰も欲しがらない不動産』が増えていくわけですが、そういった土地や建物は、結局国や自治体が税金を使って管理せざるを得なくなる。もちろん、そのコストは税金として国民が負担することになります。

いま、土地を購入するときに、あらかじめ処分にかかるコストを徴収すべきだという議論があります。

実際にそんな制度が導入されれば、ますます土地や不動産を買うインセンティブが下がり、さらに地価が下落するという負のサイクルが加速することになります」

日本のほとんどの不動産が「負動産」に変わる日は、すぐそこまで来ている。前出の長嶋氏は、空き家が急増することによる日本社会の治安の悪化を懸念する。

「築50年を超えていて、駅から遠い郊外の物件は今後、次々空き家となっていきます。一戸建てだけでなく、廃墟のようなマンションが出てくる可能性もある。そうした空き家に不法に住む人たちが現れると、周囲の治安は悪化するでしょう」

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