少子超高齢化した日本を襲う「2022年危機」そのヤバすぎる現実

団塊の世代がついに75歳を超え始める
週刊現代 プロフィール

世界史に残るほどの危機

続けて法政大学経済学部の小黒一正教授は、日本全体の負担がどこまで膨れ上がるかについて、具体的に数字を挙げた。

「昨年5月に政府が発表した『社会保障の将来』という資料によると、'18年度の社会保障給付費の総額は、年金が約57兆円、医療費が約39兆円、介護費が約11兆円で、そのほか諸々を含めて約121兆円。

これが'25年度には年金が約60兆円、医療費が約48兆円、介護費が約15兆円で、社会保障費は約140兆円にまで膨らみます。さらに'40年度には社会保障費は190兆円を超えると試算されています。

東京五輪以降、日本はいやが上にも『社会保障費の膨張』という問題に向き合わねばなりません。

年金支給額を抑制したり医療負担を上げたりするか、あるいは働く世代から税金などをより多く徴収する、消費税をさらに上げる、といった選択をせざるを得なくなります」

 

大和総研の試算によると、このまま社会保障費が伸び続ければ、'40年には就業者一人当たりの医療・介護保険料の支払額は現在の25万円程度から43万円に増加する見込みだという。

そこに、重い所得税や消費税がのしかかる。現在所得税の最高税率は45%だが、今後、さらなる引き上げが行われることは確実だ。税金と社会保険料などで所得の半分近くを持っていかれる現役世代も現れるだろう。

ちなみに、国民全体の所得に占める税金と社会保障の負担割合を示す「国民負担率」は、現在約43%。'25年には50%を超えることは間違いないと言われている。

「政府はこれまで、こうした改革の議論を先送りしたり、都合の悪い数字や実態をなるべく見せないようにしてきましたが、これまでは予測として語られてきたものが、ついに現実味を帯びて、目の前に危機として迫ってくる。その境目が、2022年と言えるでしょう」(小黒氏)

Photo by GettyImages

あと2年と少しで、人類史上はじまって以来の「超高齢化国家」となる日本。元ゴールドマン・サックス金融調査室長で、『国運の分岐点』などの著書があるデービッド・アトキンソン氏は、

「今後日本は、明治維新のときの何倍も何十倍も大きな困難に直面する」として、こう続ける。

「いま日本が迎えているのは、後世の日本史だけでなく、世界史にも残るであろう国家の変化です。なぜなら、これほどの高齢化と少子化、そして人口減少が進んだ国は、歴史的に見てもほとんどないからです。

つまり、これから日本が直面する問題に対して、従来の学問では答えを出すことができないということです。

少子高齢化と人口減少が社会に及ぼす影響は、医療や社会保障に限りません。どんな問題が起こるかを予測し、それを真摯に受け止め、死にもの狂いで答えを出さなければならないのです」

アトキンソン氏が言うように、日本が直面する問題は健康保険や年金だけにとどまらない。

前出の天野氏は、団塊の世代はもちろん、「団塊ジュニア」と呼ばれるその子供世代の問題もこれからの日本では顕在化してくると語る。

「40代を中心とする中年層の未婚化と、彼らの老後リスクという問題が現れるでしょう。50歳時点で結婚歴のない男性が約24%、女性が約15%もいます。

また、'15年の国勢調査を分析した結果、40代未婚男性の6割、同じく女性の7割が親と同居していることが判明しました。

彼らのなかで親の年金や住居などを頼りに生活をしている人たちが、親が亡くなった後にどう生活するのか。高齢者の医療・介護問題とは別に、生活が立ち行かなくなった40代という、もうひとつの難問にも、社会が向き合わなければならなくなります」

関連記事