関西電力幹部は、なぜ「汚れたカネ」を受け取ったのか

関電金品受領事件、謎の深層を読む
佐藤 優 プロフィール

不可解な「修正申告」の理由

佐藤:ただ、関電にも何かやましいことがあるような気がするんです。たとえば「邦丸さん、この5000万円、取らないとどうなるかわかるか? 邦丸さん、かわいいお孫さんがいるよね」とか、「お孫さん、毎日どこを通って登校しているかなあ」とか言われると、受け取らざるを得ないでしょ。

邦丸:その菓子折りは一応、いただきますね……。

佐藤:受け取ってしまう。それで、「マズいぞ」と会社のみんなで相談して、「面倒だから、預かっておくということで金庫に入れておけ」とか、あるいは「会社の口座に入れておけ」というふうにする。

今回も、個人口座はなかったでしょう。そういうふうに対処しているならば、修正申告なんて応じるはずないんです。修正申告すると一時所得になって、これは私のおカネですと認めることになるわけだから、「確かに私がもらった」ということになっちゃう。

ここから先は推定の推定なんだけど、そうやっていくつももらっていると、たとえば現金の場合は会社の金庫、会社の口座に入れたけれども、商品券は使っちゃったとか、お仕立券で背広を作っちゃったとか、一部だけ個人的に使っちゃうことがある。しかし、少しでも汚れていれば全部真っ黒ですからね。そういう事情があったから修正申告しちゃったんじゃないか、と思うんですよ。

 

邦丸:これ、まだいろいろなことが明らかになっていませんが、経済産業省も全国の大きな会社には調査をすべきだと言っていますね。検察はどうでしょうか。

佐藤:検察は動くと思いますよ。ただ、どういう動き方をするかですよね。誰も指摘していないんですけど、可能性があるのは脱税です。

邦丸:脱税。

佐藤:一時所得だと認めたわけですね。もらったんだったら、なんでそのときに認めなかったんですかと。それでまず、延滞税がつきますよね。さらに、もらったことを税逃れで隠していたんじゃないですか、ということになれば重加算税がつく。そうしたら、とんでもない額になります。同時に、悪質だという認定がされれば逮捕されますからね。在宅起訴の可能性もあるので、実刑にはならないにしても前科はつきます。そういう方向に進むかもしれない。