関西電力幹部は、なぜ「汚れたカネ」を受け取ったのか

関電金品受領事件、謎の深層を読む
佐藤 優 プロフィール

「ヤバい金」の流れとは

佐藤:それだから、もしそういうふうに蹴っ飛ばしたら、特に相手が外務大臣とか、あるいは総理大臣とか官房副長官とかそういう人たちだったとしたら、「どこどこの〇〇というヤツは態度が悪い」という話になって、大変なことになっちゃうんですよ。「ありがとうございます」ともらうしかないわけ。

そんなカネ、誰も欲しくないでしょ。ヤバい話じゃないですか。だから、モスクワの大使館は裏口座をつくっていた。

邦丸:裏口座!

佐藤:そう。大使館には大使、公使、その下に総括参事官というのがいる。今はたぶん総括公使になっていると思うけど、これが裏回りの仕事を全部やる。ヤバいことだけやる人がいるんですよ。企業の総務みたいなものですが、その人のところに持っていくと、「わかった」と言って預かって、プール金にしてくれる。

人に言えないような、おカネがかかる仕事がときどきありますから、そういうときにはそのプール金を使うわけですよ。

 

邦丸:その仕事というのは、今は時効ですか?

佐藤:たとえば、大使館員が酔ってトラブルを起こした。そういったものを処理するときに、ちょっと有力な人に口をきいてもらうために、心付けを持っていく。そういう面倒くさい仕事ですよね。

邦丸:ふむ。たとえば現地に住んでいるモスクワ市民、あるいはロシア国民──当時はソ連ですけれど──に対する工作費に使うとか?

佐藤:それはまた別途おカネがあります。

邦丸:別会計ですか。

佐藤:大使館には報償費、いわゆる機密費という別のおカネがありますから、そういうことは大丈夫なんです。

要するに、政治家と外務省の関係ってそういう感じなんですよ。今は綱紀を改めたと言っているけど、それほど変わっていないと思います。カネを取らないと、政治家との信頼関係というものがなくなってしまう。