夫が直面する大問題…「妻のオムツを替える覚悟」がありますか

いまや3人に1人は男性介護者の時代

感謝もされるどころか…

「家庭で介護に携わる男性の数は年々増え、いまや3人に1人は男性介護者だと言われています。これまで、介護は当然女性がするもので、男性が参加するなんて想像すらしていなかった人たちが、いざその問題に直面してうろたえるのは、よくあるケースです。

なかでも、排泄の介助は、子育てで慣れている女性であっても抵抗を感じるものです。まして、男性の場合はなおさらでしょう」(立命館大学教授で男性介護ネット事務局長の津止正敏氏)

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夫が認知症の妻を介護するときに最大の難関となるのが、「下のお世話」だ。

「若年認知症ぐんま家族会」代表で、現在も認知症の妻を介護する大沢幸一氏(76歳)は自身の体験を振り返る。

「65歳以上の多くの男性は、これまで家事もろくにしたことのない人がほとんどでしょう。そんな人が妻の下の世話を難なくこなすというほうが、無理があるのではないのかと思います。

 

現在、私の妻は病院に入院していますが、自宅で介護していた頃には失禁することもありました。まず妻の下着を着替えさせようにも、下着がどこにしまってあるのかわからない。下着が足りなくなって買いに行こうとすれば、婦人用の下着売り場に行かなくてはならず、苦労しました」

失禁してしまうならオムツをはかせればいい。そう思うかもしれないが、ことはそう簡単ではない。女性の場合、夫とはいえ、男性にオムツを脱ぎ着させられることに恥ずかしさを感じて、暴れることがしばしばある。

「認知症が進行しても、裸にされたり、陰部を触られることには本能的な抵抗を感じる場合が少なくありません。旦那さんがオムツをはかせようとしたら、奥さんが嫌がって脚をジタバタと激しく動かしてしまい、脚と骨盤の付け根の骨を骨折することもあります」(医師の朝田隆氏)