「ドラフト4位」の桧山進次郎はあの日、なぜ阪神入りを決めたのか

「ドラヨン」が名選手になる理由(前編)
田崎 健太 プロフィール

イチロー、金本、中村紀洋も「ドラヨン」

テレビを切ると監督は桧山に「お前、どうする」と訊ねた。

「もう関西に戻ります」

すると監督に「関西ならば社会人(チーム)から2つ来ているぞ」と教えられた。自室に戻って、社会人野球でもう一度プロ野球を目指そうと気持ちの整理をしていた、そのときだった。

──桧山さん、桧山さん、監督室まで。

館内放送が流れた。急いで監督室に行くと、阪神タイガースから4位で指名されたと教えられた。 

 

「嬉しいという気持ちはありました。ただ、(ドラフト指名を)掛けてくれたことに対する喜びと、3位以内でなかったというプライドを天秤に掛けると、プライドが邪魔をしていた方が大きかった。4位か、みたいな」

監督は「良かったな。ドラフトに掛けてくれて」と言った後、桧山の心中を察したのか「行くか、行かないかは自分で決めろ」と付け加えた。

桧山は〝外れ4位〞だった。タイガースは足寄高校の三井浩二を指名したがホークスと競合し、くじを外していた。

この年、91年のドラヨンには興味深い面々が揃っている。ブルーウェーブの4位は鈴木一朗、後のイチローである。その他、近鉄バファローズの4位は中村紀洋、カープの外れ4位は金本知憲だった。

ちなみに三井はこの年にプロ入りせず、社会人野球を経て2000年のドラフトで逆指名制度を利用して2位でライオンズに入っている。

「親にも上位(指名)じゃないと行かへんとはっきり言ってました。親は親で、うちの息子は東都で頑張っているから3位ぐらいまでには入るやろって思っていたんです。電話して〝4位に掛かったわ〞って言うたら、〝ああ、そうか〞みたいな」