2019.10.22
# その他

メガヒットしそうな「新書のタイトル」を、本気で考えてみた

こんな現代新書を読みたい!(前編)
現代新書編集部 プロフィール

マル:僕も『思想の日本中世史』は企画として十分成立しそうだなと思いました。他には、7~9世紀頃のチベットの王国『吐蕃』。どれくらい資料があるかわからないけど、十分に残っていれば面白いと思う。

 

ヨネ:私も『吐蕃』に1票! 学生の時に世界史の授業で覚えさせられたけど、大人になってふと思い出して、「結局、あの国・出来事は何だったんだろう?」って振り返りたくなるテーマが、新書歴史部門の狙い目だと思うんですよ。

マル:あとは、『アメリカ国立公文書館』。ナショナルアーカイブは秘密もあるし面白いんじゃないかなと思いますね。

ヨネ:「ヤミ社会・政治派」マルさんの気になるテーマですね。現代新書の別班に探らせたいところです。

マル:これからの時代を見据えて、『プログラミング概論』も気になった。僕の子供も授業でやるようになるらしいんで、知っておきたいなっていう。ごく私的な理由です(笑)。

言葉の意味の変遷を整理し直す

ヨネ:じゃあ、「哲学・思想派」の、イッツーさん。

イッツー:一見哲学じゃないけど、『筋トレの歴史』!

ハジメ:筋トレで、200ページくらいもつかな?(笑)

イッツー:筋肉のイメージや筋トレに賭けられるものには、時代ごとに変遷があるんですよね。「規律権力だ!」「いやいや、健康なのは悪いことじゃないでしょ」……みたいな思想的論点もあるし。そういうところまで含めたら、けっこうなボリュームになると思いますよ。

あと、『ポリティカル・コレクトネス』も面白いと思います。

今では「ポリコレ」って当たり前に使われるようになったけど、もともとその言葉に込められていたものは、必ずしも今とは同じでないはずです。「ポリコレ」はもちろん大切、だけど、それがかえってマイノリティの政治に対する抑圧になることもある。そういう両義性を含んだ変遷を整理し直すのは、政治的にも大切だと思います。

時代によるクセや強み

ヨネ:「歴史・教養派」のジュンさんはいかがですか?

ジュン:現代新書のラインナップを振り返ってみると、思想系が強かった時代があったり、科学系が強かった時代とか、それぞれのクセ、強みがありますね。

僕自身は学生の頃に、弓削達さんの「ローマはなぜ滅んだか」や鈴木董さんの「オスマン帝国」など、世界史が強かった時代の現代新書を読んできたので、今回、世界史のタイトルが多かったのには励まされまして、きちんとつくっていかないといけないジャンルだなと思いを新たにしました。

ハジメ:いいこと言うなあ。

ジュン:その中では、『インダス文明』と、『フス戦争』。言葉がいいですよね。

ヨネ:そう、響きが強くていい。だって、フスですよ!

ハジメ:フスですよ!ってなんだよ(笑)。

ジュン:あと、最近では呉座勇一さんの「応仁の乱」(中公新書)のような中世の戦乱を扱った新書が話題を集めていますが、近代でいうと、『米騒動』というのは面白い切り口ですよね。あの頃は、私たちが思っているよりもわさわさしていた時代で、普選運動だって多くの人たちがデモに参加していたわけで、米騒動についても、最近の研究で面白い発見があるといい本になる気がしました。

それに加えて、『●●』は、出てきてほしいテーマですね。おそらく、各新書編集者がテーマとしては頭をよぎるかもしれない、でも、どうやったら新書に落とし込めるのか。

ヨネ:角川新書から類書が出ていますが、それを超えられるかどうか。

ハジメ:アカデミズムで●●を切るのか、エンタメ寄りで切るのか……。

ジュン:僕はアカデミズムで行ったらいいと思います。いわゆる俗説を排して、きちんと学問の対象として扱う、本気の●●論を読んでみたいです。

ハジメ:よし、では『●●』は現代新書の本企画として採用! 

オタクっぽいものも掘ってみる

ヨネ:編集長が企画採用した以上、他社新書から先に出されちゃわないように、ウェブ記事中では伏せ字にしておきますね(笑)。ではニッシーさんは?

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