2019.10.25
# アパレル

米国で「ゾンビモール」化が加速! リアル店舗は生き残れるか?

日本でも「小売の黙示録」がはじまる?
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

「店数を増やせば儲けが増える」という神話

これまでの小売業界の神話の一つが、「店舗を増やせば売上・利益が伸びる」というものだった。ものすごく単純化すると、それは次のような業績予想モデルを前提とする。

年間売上予想(円)=店舗数 x 店舗あたり平均売上面積(坪)x 坪あたり年間平均売上(円)

このモデルでは、店舗の数を増やせば売上面積が増え、売場面積が増えればそれに連動して自動的に売上も増える。

たまに赤字店を整理する必要も出るかもしれないが、既存店の売上が堅調で利益が出ていれば、店の数を増やす毎に売上・利益も増え続けるというのが基本シナリオだ。

 

店を出すほど売上や利益があがるなら、早くたくさん店を出した方が良いーー。

米国ではこれまで数多くの小売ベンチャーが、店舗の急拡大による成長ストーリーを売り込んで資金を集めてきた。

スターバックスは1992年に株式公開をした頃には160店程度だったが、今では全世界78カ国に2万7000店舗以上を構える。今の株価は公開時の300倍以上だ。

2006年に上場したメキシコ風ファーストフードのChipotle(チポートレ)も10数年で2200以上の店を出した。2015年に食中毒騒ぎで株価が暴落する前までは、株価は上場時の10倍をつけていた。

非上場企業では、オーガニックサラダを売るベンチャーのSweetgreen が80程度の今の店舗数を次の3年で3倍にする計画を出しているが、すでに私募ファンド市場で16億ドルの時価総額をつけて「ユニコーン」の仲間入りを果たしている。
*「ユニコーン」についてはこちらの過去記事も参照されたい

しかし、過剰な店舗拡大が裏目に出るケースもある。

店舗の場所によって坪当りの売れ行きが全然違ったり、最初の年にヒット商品が出ても翌年にはブランドが飽きられてしまうなど「想定外」の事態が起きる

特に借入金に頼って店舗を急拡大した場合は、こうした計算違いに耐えるだけの財務力がない。

既存店売上が減少に転じると、たちまち日々の営業に必要なキャッシュにも行き詰まって破綻につながりやすい。

全世界800もの店舗を展開していたフォエバー21がこのケースだった。

SPONSORED