2019.10.25
# アパレル

米国で「ゾンビモール」化が加速! リアル店舗は生き残れるか?

日本でも「小売の黙示録」がはじまる?
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

これらのヘッジファンドは、1)事業再建による利益好転、2)不動産の売却益、3)その相乗効果で株価評価も上がる、というトリプル・メリットを期待した。

photo by istock

ところが結果は散々だった。構造的逆風は激しく、ファンドの大半を占めるようになった小売銘柄の株価暴落で運用成績が大打撃を受け、それによって顧客流出が相次ぎ、運用者としての名声も傷ついた。トリプル・メリットどころか、トリプル・パンチを受けることになってしまったのだ。

ランパートは、さらに破綻したシアーズを50億ドルで買収し、最大株主兼最大債権者となった。シアーズの累積赤字から生まれた何千億円という繰り延べ税金資金(将来生まれる利益の税金を減らす効果がある)を享受する資格を守りにいった形だ。

ランバートが保有するシアーズの債権は保証付だが、従業員年金基金を含む少数債権者らから4000もの訴訟を起こされている。果たしてスムーズに資金回収できるかどうか不明で、まさに泥沼。

ミイラとりがミイラになってしまった格好だ。

 

「日本は違う」か?

でも、リアル店舗の不振は本当にオンラインとの競争だけが原因なのだろうか。日本ではちょっと様相が違う。

先ほどの株価比較でも、日本ではこの5年間、TOPIX小売業界指数は4割近く伸びて、同期間のTOPIX(東証株価指数)を上回っている(10月4日現在)。

一方、楽天は新規事業の赤字などの固有事情もあり、株価は5年前より15%下がっているのだ。メルカリやZOZOも最近は株価が大きく調整していて、株式公開時からの比較では小売指数に大きく遅れを取っている。

ただしこの現象は、コンビニやドラッグストア、ファーストリテイリングなど、日本の小売の中でもとりわけ強い勝ち組が指数を動かしていると見たほうがよいだろう。周知の通り、日本中の商店街ではオンライン小売の台頭とは関係なく、すでに80年代から何十万もの店がバタバタとシャッターを閉じている。株価指数にそれが現れないだけだ。

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