2019.10.25
# アパレル

米国で「ゾンビモール」化が加速! リアル店舗は生き残れるか?

日本でも「小売の黙示録」がはじまる?
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

モールには「ゾンビ」がつきもの?

人の気配のしない空洞のモールはちょっと不気味だが、その空間にはシュールで不思議な美しさも感じられる。

全米100カ所近くのデッドモールを撮影したビデオグラファーDan BellのYouTubeは、100万回以上の視聴を記録した。下にリンクしたSeph Lawlessによる動画では、完全に廃墟となったモールに、不思議な美しささえ感じられる。

80年から90年代のモール最盛期をノスタルジックに懐かしむ人も多い。最盛期のショッピングモールは、郊外家族の娯楽の場として週末には人でごった返していた。

なぜだか「ゾンビ」まで集まるのはモールと決まっていて、ショッピングモールを巣窟とするゾンビ達との戦いを描いたジョージ・ロメロ監督の映画「ゾンビ」(1978年)は、カルト的な人気を博した。

 

それから40年経った昨年6月、「ゾンビ」のロケ地となったペンシルバニア州モンロービルのモールで記念イベントが行われ、製作スタッフや出演者、それに「ゾンビ」達も参加して昔を懐かしんだ。

40年経ったらモールの方がゾンビになっていたというのではシャレにならないが、幸いこのモールはテナント空室率13%以上ながらもまだ頑張っている。

ヘッジファンドも大火傷している

リアル小売からバーチャルへの構造的シフトは、株価にも顕著だ。

例えばアマゾンの株価は過去5年間に434%と、4倍になった(10月4日時点)。一方、米国S&P小売企業の株価を反映するETF(上場投資信託)のXRTは、5年間でマイナス5%と、S&P 500指数の48%に比べて大きく置いていかれている。

買い叩かれた小売株が割安に見えても、安易には近づかない方がいいだろう米国では名だたるヘッジファンドマネージャーらが大火傷をしている。

ヘッジファンドが注目したのは、小売チェーンが店舗展開のために保有している土地やビルなどの不動産だ。彼らは不動産を中心とする「隠れ資産」の価値を考慮すると、大きく売られた小売銘柄は「割安」だと考えて大量買いしたのだ。

例えばESLインベストメンツのエディ・ランパートは、「シアーズ」と「Kマート」の株を買い占めて支配権を握り、2004年にこの二つを合併させて自らシアーズのCEOの座にもついた。またパーシング・スクエアのビル・アックマンは、「JCペニー」の再建に元アップルのロン・ジョンソンをCEOとして送り込み、「ターゲット」にも大量投資をした。

SPONSORED