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かんぽの影で「ゆうちょ」も大問題、反省なき日本郵政の奇妙な言い訳

ウソの記録を捏造していたのに…

かんぽ生命保険の不正販売で大揺れの日本郵政グループ。郵便局の信用を逆手にとって高齢者に不利益な契約を押しつけていたという一連の問題で、グループ内で収益の要を担うゆうちょ銀行の影はまだ薄い。

しかし、かんぽ問題と同様に、ゆうちょ銀行でも経営層が過大な営業目標やノルマを現場に押しつけ、不適切販売が行われていた疑いが浮かびつつある。朝日新聞経済部の藤田知也記者がリポートする。

 

架空の電話実績を捏造

ゆうちょ銀行が「疑惑」の記者会見を開いたのは、9月13日のことだ。

「(原因は)営業実績とかノルマみたいなものではない」

「(不適切販売で)なんとかして実績を稼ぐ、ということではない」

記者会見のひな壇にいたゆうちょ銀行の投資信託事業部長はそう繰り返し、同行で横行していた投資信託の不適切販売と営業目標やノルマとの関係を、きっぱりと否定してみせた。その場には同行の常務も同席していた。

その日、同行による投信の不適切販売についての調査結果が公表された。

ゆうちょ銀行の社内規定では、高齢者に投信などを売り込むときには、まずは健康状態や金融商品への理解、投資の意向などを確認する。「勧誘して問題のない客かどうか」を管理職がチェックしてからでないと、実際の商品勧誘には移れない。日本証券行協会の指針にもとづいて策定された規定だが、実際には事前の確認手続きを省いて投信が売られまくっていた。

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調査結果によれば、規定違反は2万件近くも見つかった。ゆうちょ銀行の直営店で213店(全店の91%)と広範囲におよび、割合では委託先の郵便局(同12%)よりはるかに大きい。ゆうちょ銀行での過去1年の高齢者向け取引では、4割超で規定違反があり、少なくとも約600人の行員が関与していた。

驚かされるのは、多くの管理職がウソの記録を捏造していたことだ。事前確認は顧客本人に電話などで行うものだが、そうした電話をかけた事実がないのに、架空の日時とともに電話などの実績をチェックシートに書き込んでいた、というのだ。

顧客への意向確認のチェックシート自体が「ウソ」というのは、深刻な事態だろう。

不適切販売の事例が浮上したあと、同行が事前確認の有無を確認しようにも、その記録が当てにならないため、調査は確認手続きを省いた行員らの「自白」が頼り。同行が過去1年分の取引しか調べなかったのは、それ以上さかのぼって調べるのは難しいと考えたからだという。