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「長く緩慢な死」はこんなにつらい…今「看取り士」が求められるワケ

「多死社会」での、新しい仕事

人類初の「多死社会」が到来する

日本は「超高齢社会」と言われて久しいですが、「多死社会」がまもなく訪れます。
昨年の日本の死者数は136万人と、出生数92万人の約1.5倍になりました。

「団塊の世代」がすべて後期高齢者入りする2025年には毎年の死者数は150万人を超え、2040年には約170万人に達するとの予測があります。

死者数を年代別に見てみると、その90%が高齢者であり、その比率は30年後には95%になると言われています。

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「死」が社会から隠蔽されているため、私たちはこのような事態となることにほとんど気づいていませんが、日本では、「突然の死」よりも「長くて緩慢な死」が圧倒的に多数となる人類史上初の「多死社会」が到来するのです。

現在、日本では8割以上の人が病院で最期を迎えていますが、財政上の制約から今後病院のベッド数の減少が避けられないことから、自宅などで看取られるケースが増えることは間違いありません。

 

終末期医療や介護関係者の間では「2025年問題」が懸念され始めています。

団塊世代がすべて75歳以上になる2025年になると、老化に伴うがんや慢性疾患、老衰などで死に直面する人が急増するため、「死にゆく者をどこで誰が看取るのか」が深刻な問題になると予想されているからです。

かつて日本人の多くは自宅で家族や友人などに見守られながら生を終えていましたが、往時の「看取り」の文化は失われたに等しいと言わざるを得ません。

このような状況にかんがみ、筆者は「死」とどう向き合うかが日本社会の最大のテーマとなると考え、9月初旬に『日本発 母性資本主義のすすめ 多死社会での「望ましい死に方」』を上梓しました。