photo by iStock

体験ギフトで感動を! 「STAR分析」が明かすビジネスの秘訣

「ソウ・エクスペリエンス」の戦略とは
好評発売中の前野隆司著『感動のメカニズム:心を動かすWork & Lifeのつくり方』(講談社現代新書)。人・会社・ビジネスの「心を動かす」あり方とは、一体どういうものでしょう。体験ギフトで話題の「ソウ・エクスペリエンス」に、著者独自の「STAR分析」で迫ります!

モノ消費からコト消費へ

物質的飽和状態にある現代では、人々の欲求の対象はモノの豊かさから心の豊かさへと変化しました。「モノ消費からコト消費へ」といったフレーズも見聞きします。

経済学者のロバート・フランクは、金・モノ・地位など、周囲との比較によって満足が得られる財を「地位財」、健康・自由・自主性・環境など、相対比較によらずに満足が得られる財を「非地位財」と定義しました。

さらに、心理学者のダニエル・ネトルは、著書『目からウロコの幸福学』において、これら2つの財を「幸福の持続性が異なる」と述べています。前者による幸福感は一時的なものであり、後者による幸福感のほうが長続きすると論じたのです。

つまり、モノ消費からコト消費への変化の背景には、心理的な裏付けがあったのです。

 

幸せはお金で買える?!

ハーバードビジネススクールのマイケル・ノートンは、「正しい使い方をすれば、幸せはお金で買うことができる」と言います。どうしたらよいかといいますと、自分以外の誰かのためにお金を使えばよいのです。

ノートンらは、こんな実験をしました。カナダの学生たちに、それぞれ封筒を渡しました。いくつかの封筒には「午後5時までに、このお金を自分のために使ってください」というメモと、5ドルあるいは20ドル。他の封筒には「午後5時までに、このお金を誰かのために使ってください」というメモと、5ドルあるいは20ドルを。

その日の夜、実験に協力してくれた学生たちを集めて、どんなふうに使い、幸福感はどう変化したかを聞きました。すると、自分のために使った学生たちの幸福度は変化しませんでしたが、自分以外の人のために使った学生たちの幸福度は向上していたのです。それも、金額の大小に関係なく。

つまり、より高い幸福感を得るためには、お金を自分のために使うよりも、誰かのために使うことのほうが重要であることがわかります。