日本は壊滅必至 ついに始まる「ドローン戦争」の恐怖を認識せよ

高価な兵器も、全て無力化されかねない
部谷 直亮 プロフィール

第三には、今回のドローンがイスラエルや台湾の対レーダー自爆ドローンに酷似していること、またこれまでフーシ派はドローンによって敵の防空網を攻撃していたことから、サウジアラビアの防空網をドローンが破壊・開削しつつ進撃し、無防備になった石油施設に巡航ミサイルと残りのドローンが突っ込んだ、という可能性も考えられる(なお、サウジ政府は認めていないが、過去にフーシ派は「パトリオットミサイルを対レーダー自爆ドローンで撃破した」と「主張」している)。

つまり、戦闘機や弾道ミサイルを前提とした防空網は、ドローン攻撃に対して極めて脆弱であり、機能を十全に発揮できないのだ。これは、戦闘機や弾道ミサイルが高空・高速・巨大兵器であるのに対し、ドローンは低空・低速・小型兵器だからである。

イランから、もしくはイエメンからの長距離攻撃にもかかわらず、高精度だった理由について、ピーター・ブルックス元米国防次官補代理などは民間衛星回線による誘導と、またウジ・ルービン元イスラエル・ミサイル防衛機構部長は画像認識による誘導と分析している。おそらく、双方を併用したとみるべきだろう。

 

新たな戦闘空間の出現

さて、今回のドローン攻撃が持つ軍事的意義とは何か。

第一に、言うまでもなく、在来型のレーダー網がドローン攻撃に対して極めて脆弱だという事実を明らかにした、ということだ。

米英の軍事専門家は、サウジアラビアの防空網を高く評価しており、それ故に今回の出来事に衝撃を受けている。特に、パトリオットミサイルがまったく役立たずだったことに、だ。

このことから言えるのは、やはりドローンが「新しい戦闘空間」を切り開いているということである。だからこそ、ドローンが活躍しなかった時代に最適化した、レーダーやパトリオット等の防空システムでは対応できなかったのだ。

このことは、3月の拙稿でも指摘したように、サイバー空間、宇宙空間に続く、「空地中間領域(InDAG:The intermediate domain of the Air and Ground)」とでも名付けるべき、第三の新しい戦闘空間が登場していることの証明と言ってよい。

この高度15-数百mという地上と空中の中間にある「中途半端な空間」が、恒常的に──これまでも軍用ヘリなどによる一時的な利用はあったが──ドローンなどによって使用されるようになり、そうした空間への対応を前提としていない兵器群が無力化されているという構図だ。

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こうした発想は筆者だけの思い付きではない、筆者は2月14日のワシントンタイムズ紙、次いで3月26日に本誌でこの主張を行った。その後、近似する主張は米軍関係者からも出てくるようになった。筆者の主張と米軍のそれの差異については別途触れるにしても、ドローンが新しい戦闘空間を切り開いているという点については、米軍の戦略思想家達も同意見なのである。

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