2019.10.11

就活生を苦しめる「黒髪至上主義」という呪縛は、かくして生まれた

元凶はとある1つの論文だった…?
平松 隆円 プロフィール

もはや調べても統計的な差が出ないことが露呈することを恐れているのでは、と穿った見方すらできてしまいます。そもそも、生まれつき髪色が黒くない生徒は、成績は低迷したままなのでしょうか。けっしてそんなことはないはずです。

 

黒髪にこだわる企業はいずれ淘汰される

現代における就職活動での「黒髪至上主義」は、この一連の事柄が尾を引いているとも言えるでしょう。

現在、経営を担っている50歳以上の企業の役員たちの世代は、髪を染めている者は不真面目で素行が悪い者が多いという認識が今よりも強かった時代に青春を過ごしてきたことでしょう。そういうステレオタイプが植え付けられてしまっていると考えられます。

そして、企業の役員たちのステレオタイプが、無意識のうちに相手に対する印象の受け止め方に影響しています。結果、髪を染めて面接に行くと落とされてしまうわけです。また、大学で学生たちの就職活動をサポートしている職員たちも同様です。結果的に、学生たちには「黒髪で就職活動をしなさい」という指導になってしまうわけです。

Photo by gettyimages

髪色を自由に選択することは個性だからというような、ありふれたことを言いたいわけではありません。そんなことは、自明なことなのです。というよりも、生まれつきの髪色の違いを受け入れることは、ダイバーシティとして当たり前のことなんです。

もし企業が今後も変わらずに黒髪を就活生に求めていくのであれば、いずれそれはマイノリティーや女性を積極的に採用していない企業、職場で差別的な処遇をしている企業としてマイナスの社会的評価が下される日が来るかもしれません。むしろその前に、髪の色にこだわる企業は、就職活動をしている人たちからそっぽを向かれ、淘汰されていくかもしれません。

そうなるためには、まだもう少し時間がかかるでしょう。ですが、10年後や20年後に世代交代して、今の若い人たちやもっと多くの女性たちが会社で活躍する時代がなれば、もう就職活動で髪型や髪色が問題になることはないでしょう。そして、そうなることを筆者もまた期待しています。

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