関西電力の深刻すぎる闇…検察が動かざるを得ない「これだけのワケ」

問われる電力会社の「在り方と体質」
伊藤 博敏 プロフィール

検察は捜査着手せざるを得ない

社内調査もコンプライアンス委員会も機能しなかったことは、調査報告書の公表とそれをもとにした追加取材とその報道で、次々に明らかになっている。

吉田開発の受注案件113件(ゼネコン経由を含む)のうち7割以上は、関電が森山氏に情報提供したもので、なかには原子力事業本部と京都支社を併せて、競争入札を経ない18件の特命発注があった――。

この報道ひとつ取っても、金品授受した関電幹部と受注工事との因果関係の追及で、特別背任罪や収賄罪を疑うことはできよう。

 

森山氏の今年3月の死去や、刑事罰を問う際の「自己や第三者の利益を図る目的」「不正の請託」など立証の難しさはあるものの、捜査しないで済ませるという結論にはなるまい。

「封印」は「関西検察OB」という身内の配慮だった。が、今後はそうはならない。

関電は、9日に第三者委員会を設置、年内の報告書作成をメドにしている。また、国会では、立憲民主党、国民民主党、共産党などが、「関電疑惑追及チーム」を立ち上げており、証人喚問、参考人招致などを要求、関電を揺さぶることになる。

そうした事態を受けて、検察当局が手をこまねいて見ている事は出来ない。

問われているのは、関電の特殊性ではなく、原発を推進するために「カネで地元を黙らせ続けた」という電力会社の「在り方」と「体質」であり、それは原発のない沖縄を除く9電力に共通する。