子供の頃から漫画雑誌を読んで自然とオタクになっていた身の上からすると、ハマるきっかけからして新鮮だ。

「でも、若い頃から気質はあったと思います。20代前半は野球選手にハマっていて、せっせとファンレターを出していたなと今思い出しました。

結婚・出産後には、深夜ドラマ『Night head』の霧原直人(豊川悦司)にハマり、原作本を買い込みました。役が好きだっただけで、実際にトヨエツに会いたいとは思ってなかったんですけど」

推しに会おうとは思ったことがなかったYさんが、チュ・ジフンに会うために韓国遠征したのは2011年のこと。

「私がハマった時点では、彼は兵役に行っていたんです。軍隊が上演するミュージカルに出ていて、それは一般のお客さんも観ることができたので、周囲のファンはちらほら行っていましたね。

ただ私はそれまで海外旅行をしたこともなく、パスポートさえ持っていなかったので、ミュージカルを観るために渡韓ということは全く頭になく、人のブログでレポートを読んで満足していました」

兵役中のチュ・ジフン。2010年8月の舞台で(Photo by gettyimages)

しかし、2011年11月。チュ・ジフンが兵役を終了するタイミングで、ファンミーティングの告知が舞い込んだ。

「会いたいけど海外まで行くのはな~としばらく迷っていたのですが、参加特典として全員との握手が保証されていると聞いて、諦められず。以前『宮』のことを教えてくれた職場の若いスタッフに話したら『絶対、絶対行くべき!』と背中を押され、締切当日に申し込みました」

当時すでに主婦として家庭を切り盛りしており、義母とも同居していたYさん。申し込むにあたって告知サイトのページを印刷した紙を握りしめて、「抽選に当たったら、行ってもいい?」と夫にお伺いを立てた。

「さすがに難色を示されるかなと思っていたのですが、『行ってくれば?』とあっさりした反応でしたね。娘たちも応援してくれましたし、義母も自分が旅行好きなのもあって寛容に送り出してくれました。

そもそも夜な夜なドラマを視聴していたし、Amazonや楽天で注文したDVDや雑誌がばんばん届いていたので、止めても聞かないだろうと思われていたのかもしれません(笑)。今調べたら、最初の1ヵ月に6万円は通販していました……」

ファンミーティングは、公式ツアー参加で1回15万円かかる。何度か参加し、そうしたファンクラブイベントがあまり開催されなくなってからは、彼の出演する映画の舞台挨拶イベントのために遠征するようになった。個人手配なので、そちらは6万円で済んでいる。渡韓は年1~2回。

推しに会うためにかけた費用は、累計で120万円ほど。10年と考えれば、そこまでの高額ではない。韓国俳優やK-POPアイドルというと、「ファンからの豪快なプレゼント」エピソードも聞くが、Yさんはそういった出費はあまりしていないそう。