ホリエモン擁立、議員辞職…N国立花「政治ハッキング」のヤバい目的

自走を始める「反・既得権コミュニティ」
真鍋 厚 プロフィール

これは、いわば政治版リアリティ番組といえる。無数のコンテンツに囲まれ、可処分時間の使い途を意識している若い世代の無党派層を取り込めるか否かは、「キャラクターの魅力」「コンテンツの面白さ」にかかっているからだ。

そのような文脈においては「警察からの事情聴取」や「書類送検」さえも、ドラマに真実味を与える数々の山場の一つとして消費されてゆく。「訴求力のあるコンテンツメーカー」であるか否かが勝敗を決めるのである。〈政治家、ポップスター、ヘイト集団、反ヘイト集団の誰であれ、『物語』を自分のものとし、観察者の感情を呼び込み、信憑性を与え、その結果コミュニティを構築できた者が新たな勝利者となる〉(*)というわけだ。

現に、マスコミからN国へのバッシングは既得権益層からの「弾圧」として受け取られ、ますますフォロワーや支持者らの結束を促すことになっている。

 

国家権力との対立が本格化

次に指摘しておくべきは、N国党と「国家権力」との緊張が高まる可能性である。

YouTubeで9月16日に配信された堀江貴文氏と立花氏との初対談では、検察改革の重要性について触れている。例えば「人質司法」だ。逮捕・勾留された被疑者に弁護士の立ち会いを許さず、否認すれば長期の勾留を行い、精神的に追い詰めることで自白を得ようとする捜査方法のことである。

周知の通り、堀江氏は2006年1月に証券取引法違反容疑で逮捕され、東京地検特捜部による取り調べを受け、2年6ヵ月の実刑判決を下されている。また立花氏は9月に脅迫の容疑で任意聴取を受け、今月2日には書類送検されており、前述のような捜査当局によるリークを、国家・地方公務員法の守秘義務違反と、それに便乗するマスコミの姿勢の両面で問題視している。

さらに、現在立花氏が擁立に向けた「ラブコール」を送っている「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏も、この9月に1億8000万円の脱税容疑で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた。

共通しているのは、いずれの人物も当局に逮捕されたり聴取を受けたりし、さらにマスコミのバッシングを受けた経験があるということだ。そもそも立花氏の言う「既得権益層」にはマスコミだけでなく、「国家権力」(の内部にいる者)も含まれている。〝口撃〟の矛先が向かうのはある意味必然ともいえる。