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# 韓国

韓国・文在寅の「壮大な実験」を日本人が笑えないワケ

まだバケツの穴は小さい

韓国「最賃引き上げ」は失敗だったのか

韓国の最低賃金大幅引き上げが「失敗」として話題になってきた。

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韓国では、文在寅大統領が「2020年までに最低賃金を時給1万ウォン達成」を掲げ、2017年の就任以来、最低賃金は毎年10%以上と劇的に引き上げられてきた。だがその結果、韓国の就業者の4人に1人とされる自営業者たちの生活が立ちいかなくなったという声が高まっている。

そんな中で、日本でも「最賃1500円を求める運動」への疑問や、企業が成長すれば賃金は増えるという「トリクルダウン効果」に回帰するかのような論調が目立ってきた。

だが、「韓国の失敗」と笑っている場合なのだろうか。なぜ文在寅大統領は、大幅な最賃引き上げを目指したのか、その背景を考えるべきだ。

 

非正規労働者の増加やグローバル化で労組の賃上げ圧力は弱まり、最賃引き上げ以外に非正規労働者の確実な賃上げが期待できなくなっているのは、日本も似ている。

働き手の5人に2人を占める低賃金非正規の所得向上なしでは、内需拡大は危ういという日本の状況も変わっていない。「韓国の実験」は、「最賃たたき」より「最賃の外の働き手も含めた保護」の必要性を私たちに問いかけている。