10月17日 医学者の前野良沢が没する

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1769年のこの日、蘭学者で医師である前野良沢(まえの・りょうたく、1723-1803)が逝去しました。

【写真】前野良沢
  『医家先哲肖像集』(藤波剛一編)に収載された前野良沢像。国立国会図書館デジタルコレクションより

古医方を学び、豊前中津藩医となった前野良沢は、蘭学を志し青木昆陽(あおこ・こんよう、1968-1769)に師事します。さらに1769年には長崎に行き、通事から蘭学を学び、ドイツ人医師ヨーハン・アーダム・クルムス(Johann Adam Kulmus[独] 1689-1745)の著書Anatomische Tabellenに出会います。

これが後に解体新書で出てくる『ターヘル・アナトミイ』です。原文は漢文なので、『打係縷亜那都米』にルビで、ターヘル・アナトミイと振られています。

江戸にもどった良沢は、小塚原での死刑囚の腑分けを見学する機会を得て、持っていった『ターヘル・アナトミイ』の図の正確さに驚き、翻訳を志すことになるのです。

『解体新書』
  『解体新書』で描かれている解剖図 photo by gettyimegas

3年5ヵ月かけて、杉田玄白(すぎた・げんぱく、1733-1817)らと『解体新書』の翻訳を完成。しかし、訳に満足できない部分があり、不完全だとして自分の名前を出すことを辞退しました。81歳でこの世を去るまで、オランダ語研究への熱意を持ち続けたと言われています。

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