今後ビジネスパーソンに絶対必要になる「最注目スキル&思考法」

破壊的変化の時代を生き抜くために
田川 欣哉 プロフィール

とりあえず使ってみるぶんには一ヶ月分のコストで済んでしまうので、気軽に試してみることができます。ほとんどの人は「まあ、安いからいいか」と、とりあえずダウンロードして使いはじめます。

ただし、そこで少しでも使い勝手が悪く期待するほどの性能ではないことに気づいたらどうするでしょうか? 辛口レビューを書く人もいるでしょうが、大半の人はそこまで暇ではありませんから、何もいわず、他のアプリを探しはじめるでしょう。

このように、サブスクリプション型の大きな特徴は売り切り型と比べて圧倒的に乗り換えがしやすい(スイッチングコストが低い)ことです。乗り換えがしやすいということはインターネット以降のプロダクト・サービスの常識です。それは、収益性を保つ上で「一度買ってもらうこと」だけでなく、「長く使い続けてもらうこと」が最優先課題になったということです。

サブスクリプション型ビジネスは現在あらゆる産業に拡大しようとしています。いま企業は、顧客の課題を解決し、使い心地がよく、かつ企業哲学を体現したようなプロダクトとブランドをつくる必要があります。そのことを通してはじめて「長く使い続けられる」というゴールが達成されるからです。

このようなプロダクトとブランドを育てるためには、「ビジネス」「テクノロジー」「クリエイティビティ」の3領域を有機的に結合させる必要があります。

私はこの3領域が結合した状態のことをBTCトライアングルと呼び、イノベーションを生み出す組織の理想型と考えています。そして、こうした異分野の統合をになう人材を「BTC型人材」、そのような人材を有した組織を「BTC型組織」と呼んでいます(図1)。

現代は、一つひとつの専門領域では太刀打ちできないような複雑で複合化した課題が増えています。何が課題なのか、そして、そもそも答え自体が存在しないような、やっかいな課題。いまこの瞬間も、世界中のイノベーション企業はこうした複雑な課題に挑むために必死にもがいています。

こうした複雑な課題を解くためには、従来の経営にみられる要素分解的なアプローチではなく、分野越境型の総力戦が必要となります。もしデザインの領域が弱いのであればそれを補う必要がありますし、専門領域のあいだにそびえる高い垣根を取り払い、新結合が起きやすい状況をつくる必要があります。

「どうやったらイノベーションが起こせるのか?」 という問いに対して、 これまでも世界中の研究者や実践者が、時代に応じて様々な方法論や考え方を提示してきました。また、デジタルとAI時代の到来で、イノベーションの考え方自体も目まぐるしく転換しています。

そのような中で、ここでは個々の手法ではなく、イノベーションを生みやすい人材像とそれにいたる道筋にフォーカスをあてていきたいと思います。