余ったお金がさらに集まる「富の一極集中」が先進国を疲弊させている

戦後75年で進んだ階層の固定化が
大原 浩 プロフィール

庶民が得るべき金利所得が企業や政府に移転

個人が低金利の恩恵を全く受けることができないわけではない。例えば、市場空前の住宅ローンの低金利は恩恵があるように見える。ただし、それはこれからも不動産価値が維持される、または上昇するということが前提である。

2018年9月17日の記事「一般投資家はこの先、日本の不動産には手を出してはいけない」で述べたように、今後の不動産価格の行方は不透明だから、金利が低いからと言って多額のローンを組むと大けがをするかもしれない……。

 

逆に、個人が運用する立場から考えれば、低金利は大きなダメージだ。4月26日の記事「『バブル』は続くよどこまでも…もう誰も金利を上げることができない」で述べたように、現在の普通預金金利では、まともな利子が支払われないから、以前話題になった2000万円の資産があったとしても、老後不安が付きまとう。

例えば、金利が5%であれば、2000万に対して毎年100万円、10%であれば200万円が入ってくるから、気持ちの上ではかなり楽になる。

それに対して、金余りによる低金利は、有利な条件で借り入れることができる大企業に得である。安く借り入れた資金で資産運用を行い、さらに金を余らせるという現象も起こる。

さらに、低金利によってゾンビ企業が生き残る弊害はよく指摘されるが、それらのゾンビ企業とまともに競合するのが中小企業である。ゾンビ企業と競合する中小企業は消耗戦を強いられるが、違った土俵で勝負する大企業は、ゾンビ企業を安く使ってさらに高い収益を得ている。

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