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朝8時から仕込んで深夜2時に帰宅…プロレスより過酷なラーメン店経営

それでも君はやるのか?
川田 利明 プロフィール

身体はもうボロボロ……

体の話の続きになるけれども、ラーメン屋というのは一日中、立ち仕事が続くから、どうしても腰や膝が悪くなる。

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俺の場合、プロレス生活でもともと体中がボロボロになっていたので、さらにキツい。骨折したことがある腕には力が入らないし、立っているだけで膝が痛む。三沢さんのエルボー、スタン・ハンセンや小橋のラリアット、ジャンボ鶴田さんのバックドロップをあれだけ喰らってきたから仕方ないよね。そこにはなんら後悔はない。

「プライベートの時間がない」というのは、定休日の度に病院に通っているから、という側面もあるかな。

もちろん、肉体的にもっと楽にやる方法もある。

従業員を雇えば、当然のことながら、仕事量は減る。少なくともアルバイトを何人か置いておけば、負担も減るんだろうけど、俺にはそういう選択肢はなかった。

いや、店を始めた時は、実際にバイトを雇ったりもしていたけれど、いろいろな考えがあって、やっぱりひとりでやることにした。

 

もっと簡単なのは、「手間をかけるのをやめる」というやり方だろう。

とにかく、俺はひとつひとつの料理にものすごく時間と手間をかける。やっぱり、お客さんに美味しいと思ってもらいたいし、そのためなら手間も厭わない、というのが俺のスタンス。

ただ、結果として非常に過酷な日々になってしまっているので、これもある意味、肉体的な負担を考えたら「してはいけない」ことのひとつなのかもしれない。でも、どんなに「してはいけない」とわかっていても、俺はこのスタイルだけは変えるつもりはない。

楽をしたかったら、既製品を出せばいい。メンマだって、味付け玉子だって専門の業者がいるし、なんなら唐揚げだって冷凍コーナーに安く並んでいる。

特にラーメン以外のサイドメニューに関しては、それでいいんだと思うんだけど、やっぱりそこは割り切ることができない。本当に「経営者としては、とことん不器用だな」とこうやって本を書いてみて、あらためて思い知らされた気分だ。