クレーム対応のプロが教える、2大「悪質クレーマー」撃退法
お客様は「神様」ばかりではないどこで「悪質」と見極めるか
悪質クレーマーは、「この気持ちをわかってほしい」「自分の抱えているこの問題を解決してほしい」という理由から、クレームを言ってくるわけではありません。

クレームを言うこと自体が目的であり、対応者を怖がらせたり、業務妨害したりすることが最大の目的なのです。
ですから、怒りを笑顔に変えることは到底できません。そもそも悪質クレーマーには、また使いたいから改善してもらえれば次も使う、という考えは一切ありません。
ここは、クレーム対応から企業の危機管理に切り替えて対処しないといけません。
ただ、数多くの企業の方からクレームの相談を受けてわかったことですが、100件に1件あるかないかの確率だと私は考えています。1%以下だと思います。
どの時点で悪質クレーマーと判断すればよいのか、どのタイミングで気づけるのかという質問をよく受けます。結論から言うと、正解はありません。
むしろ企業側・対応者側の主導でガイドラインを決めて、「これは悪質クレーマーだ」と判断する基準を設けるようにアドバイスしています。
つまり、お客様と悪質クレーマーの境界線は、企業側が決めてよいということです。例えば、NGワード(担当者個人への暴言、土下座強要)、対応時間(電話を切らせようとしない、居座るなど)や、理不尽な金銭要求があるなどで判断して下さい。
つまり、企業や組織として、あるレベルの状態になったら悪質クレームだと判断できるようルールを明確にしておくということです。
そのルールを違反するようなお客様が現れたときには、ルールに則ってクレーム対応から「危機管理」に切り替えて、毅然とした態度で対応を打ち切る必要があります。
お客様は神様や天使ばかりではありません。悪魔も存在します。その見極めができるようになることが、超一流のクレーム対応をするためには必要です。
悪質クレームは大きく分けて2つのタイプがあります。ここでは、2つのタイプの悪質クレームの特徴とその対応法を説明していきます。