「中国人多数・日本人少数」埼玉の団地生活でわかった「分断の感覚」

見えない壁をどう乗り越えるか
大島 隆 プロフィール

「見えない壁」をどう乗り越えるか

芝園団地の「見えない壁」をどう乗り越えるのか。

「私たちの団地」という思いは、「私たち(日本人)」対「彼ら(中国人)」という対立的な構図を頭の中に作り上げる。そして生まれるのが、「中国人は……」というステレオタイプだ。

 

こうした状況を変えようと、芝園団地では、学生のボランティアグループ「芝園かけはしプロジェクト」や自治会が様々なイベントを開くなど、地道な活動を続けている。

まずは知り合いをつくり、「中国人」とひとくくりにするのではなく、顔の見える関係をつくっていければという狙いだ。

ふるさと祭りでの「芝園太皷」の演奏(2017年8月、筆者撮影)
やぐらを囲んで踊る人と見物する人(2018年、筆者撮影)

「見えない壁」を壊すことは、決して簡単ではない。

芝園団地に住む日本人住民と中国人住民は、言葉や習慣だけでなく、生活スタイルも世代も違うので接点が少ない。芝園団地は分譲ではなく賃貸住宅なので、人の入れ替わりが激しいのも、地域のつながりづくりを難しくさせている。

それでも、一緒に何かをすることによって、これまでの「私たち」に代わる、日本人も中国人も共有する、新しい「私たち」というアイデンティティが芝園団地に芽生えることを期待している。