某外資系投資顧問に勤務する「バリキャリ金融女子」川村真木子さん。米国有数の大学を卒業して外資系金融機関で活躍と、眩しすぎる経歴だが、実は高校時代に寄り道をし、高校卒業は20歳のときだった。そんな川村さんのインスタには様々な悩みが寄せられている。最近時に気になるのが、不登校に関することだという。

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インスタに寄せられる不登校やいじめの悩み

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「子どもが不登校になってしまい悩んでいます」
「クラスのイジメが原因で自殺を考えています」


時々インスタグラムのメッセージ機能で、このような相談を受ける。私の娘は現在15歳。全寮制の高校に進学したばかりだが、彼女の教育についても長いこと頭を悩ませた。かくいう私自身も高校時代ヤサグレていた時代があり、一人の英語教師の言葉で人生が変わったことは以前書いた通りだ。

そこで今回は「学校」について思うことをお伝えしようと思う。

2015年に一橋大学のLGBTの学生さん(男性)が、当時好きだった同性の友人に気持ちを告白し、告白された友人が仲間に相談、仲間にも避けられるようになって学校に行けなくなり、最終的に命を絶った。この事件当時、前職の投資銀行でLGBTダイバーシティ活動を始めていた私は、この事件に衝撃を受けたと同時に学校や組織ってなんだろうと考えるようになった。

インスタで相談されるような問題でも、特にLGBTの子どもは同性に恋愛する気持ちを隠さざるを得ず「学校に行けない」と感じたり、偽り続けることに疲れて自死を選んでしまうことがある。LGBTの自殺率はそうでない人の6倍と伝える論文もある。

「男なんだからしっかりしろよ」

先日、LGBTをカミングアウトしている友人でタレントの深海ちゃんと某イタリアンレストランに入った時のこと。私たちの隣の席の壁に巨大なゴキブリが登場し、カップルが騒ぎだした。女性は本当にゴギブリが苦手なようでキャーキャー言いながら逃げていた。お相手の年配のオジさんは「まぁこの季節仕方ないだろう」と言って店員を呼んだ。

すぐ隣に座っていたのが私たちで、深海ちゃんは咄嗟に席を立ち、ゴギブリが捕まるまで遠くで様子見。私は幼少期を田舎で過ごしたのもあり、ゴギブリは大丈夫なので静観していた。無事、店員さんがゴギブリを捕まえたので、安心して帰ってきた深海ちゃんに向かってオジさんが「男なんだからしっかりしろよ〜!」店中に聞こえそうな声で言った。

深海ちゃんは「ジェンダーレス」という言葉がぴったりな人間である。空間把握能力が高かったり、地図が読めたりと、男性っぽいと言われるところもあるし、共感力・コミュニケーション力に長けていたり、マルチタスクだったり、繊細だったりと女性っぽいと表現される面もある。スポーツ観戦も興味がないし、汗臭い体育会系の男の絆みたいなのもダメなので深海ちゃんの脳はジェンダーレスとは言え9:1で女子だと思う(私が分析)。

にもかかわらず「男なんだからしっかりしろ」と全く知らない人に言われる現実。多分隣にいた女の私がゴギブリに動揺してないというのに「一目散に逃げた男は情けない」っていう評価なのだろう。もしかしたら、こんなことはLGBT当事者にとってただの日常茶飯事。ちょっと勘違いされた、ちょっとウザい出来事でしかない。でもこれが頻発したり、人生の重要な場面でも起きたらどうだろう。ことある事に「男は男らしく」「男を好きになるなんて気持ち悪い」「男のくせに」……言われ続けると心は少しずつ壊れてくかもしれない。理解しない社会に絶望し、自殺を選ぶLGBT当事者は後を絶たない。